数学基礎論サマースクール2007(集合論) --- 強制法入門(連続体仮説の独立性証明など)

このページでは静岡大学で2007年9月4日〜9月7日に開催された2007年度数学基礎論サマースクールで私 (渕野 昌) が担当した講義「強制法入門」に関連した教材やハンドアウトなどをリンクしています.


講義の予稿は
[0]
 渕野 昌, 数学基礎論サマースクール2007年における講義の予稿(予稿集に掲載されたバージョン)
にリンクしてあります.これを拡張したものが
[a]
 渕野 昌, 数学基礎論サマースクール2007年における講義録([0] の最新バージョン)
サマースクールでは上記の [0] のコピーが配付されましたが, [0] 後半は,まだ証明が入っておらず,タイプミスも多少残っています. [a] は講義期間の後にも,まだ何回か update する予定です.

[a] の更新記録 in reverse order

この web page を神戸に移動したのを機に 手元の最新のファイル(2008年5月22日版)を upload しました. このページ他の部分についても多少の update をしました.(10.08.11(水17:33(JST)))

Forcing Theorem (Theorem 9) の証明を加え,いくつかの訂正をしました(07.09.13(木 05:24)).

ある程度の修正補筆を加えたものを [a] に upload しました(07.09.09(日 06:02)).


以下は講義の前に予習のための参考文献としてあげたものです:

講義では,集合論の初歩的な知識(ZFC の公理系や超限帰納法など)は仮定して話を進めます. 必要な基礎知識は,

[1]
 田中一之(編): ゲーデルと20世紀の論理学4  集合論とプラトニズム, 東京大学出版会 (2007)
の第I部として私が書いた「構成的集合と公理的集合論入門」の前半で得られます.

また,レヴィの反映性定理,モストウスキーの崩壊定理などいくつかの定理 (これらは [1] の第一部の後半にも出てきます)やモデルや充足関係の知識も仮定しますが, これらはブラックボックス化して,証明や細部を理解していなくても とりあえず講義がフォローできるように工夫するつもりです. それでは気持が悪いという人のための参考文献としても,上にあげた [1] の第I部が 推薦できますが,あまり自分の書いたものだけを推薦するのもなんなので,一応これ 以外のいくつかの文献をあげておきます([3], [5]も私の書いたものですが,ダウンロード可能です):

集合論の本格的な教科書としては,

[2]
 K. Kunen, Set Theory, North-Holland (1980)
があります.この教科書は強制法の入門書としてきちんと書かれているもので, 私の講義の内容は,実質的には,この教科書のサブセットになるはずです. このページの作成の後に,藤田博司氏による [2] の 日本語訳 が出版されています.

超限帰納法に関しては,2002年の数学基礎論サマースクールでの私の講義の講義録

[3]
 渕野 昌, 実数の集合論の基礎の基礎
が参考になると思います.

日本語で書かれているもので, レヴィの反映定理やモストウスキーの崩壊定理についても触れているものとしては,

[4]
 田中尚夫,公理的集合論,培風館(1982)
があります. この本は現在品切れのようですが,数学の図書館で借りたりすることはできるでしょう.

もう少し「おはなし」に近い書き方になっていますが,

[5]
 渕野 昌,連続体仮説とゲーデルの集合論的宇宙(ユニヴァース),現代思想, 2007年2月臨時増刊号 (2007), 94--116.
という私の論説もあります. 「おはなし」と言っても, 実は深読みすると集合論の基礎のポイントがほとんど全部説明されているように工夫して書いたつもりです. この論説文を多少補足したものが, ここからダウンドードできます.

質問やコメントなどは以下のメールアドレスにどうぞ.


渕野 昌 (Sakaé Fuchino)

Last modified: Wed Aug 11 18:02:12 +0900 2010