私は数理論理学(ロジック), 特に集合論に関する研究をしています. 1979年から20年近くドイツに在住していました. ドイツでは ベルリン自由大学の数学・情報科学科に所属していました. 1994年に,エルサレムの ヘブライ大学 でサハロン・シェラハの研究助手を半年間勤めました. 「数学セミナー」1997年7月号に,このときのことを書いた記事 があります. 1997年の4月に 北海道の 北見市にある 北見工業大学 情報システム工学科 に移り,2001年3月までこの大学で理論計算機科学を教えていました. 2001年4月から2009年9月まで愛知県春日井市にある中部大学の 理学教室に所属して, 教養の数学を教えました.
2009年10月から,神戸大学工学研究科 情報知能学専攻 の 数理論理学, 統計学,計算科学 を研究するグループに所属しています.
私のエルデシュ数は2です. Mathematics Genealogy Project によれば, ヘーゲル, フィヒテ, カント, ライプニッツ は,私の学問上の祖先です.
2009年9月に筑波大学の大学院で初等的部分構造の集合論での応用に関する集中講義を行いました. このテーマに関しては,もう十年以上前ですが, 日本に移住した年の夏 (1997年8月) 静岡県三保の東海大学研修館で行われた数学基礎論サマースクールでも講義をしたことがありました. 今回の集中講義では, このときの lecture note を下敷きとして用いました. 今度の講義の lecture note は,まだ準備中ですが, 書きかけのところも残っている現在のヴァージョンが ここ に置いてあります.
2009年6月6月15日ヴィーンの ESI (Erwin Schrödinger Internal Institute for Mathematical Physics) で開催されていた 集合論の学会 で講演をしました. このときの スライド とスライドの printer friendly version. このスライドは, 7月10日の 関西集合論セミナー で講演をしたときにも再利用しました.
2009年3月26日から29日にかけて東大駒場キャンパスで開催された日本数学会年会で, 千谷慧子先生による数学基礎論分科会の特別講演 「量子集合論とその完全性」の座長をつとめました. 講演に先立って千谷先生の簡単な経歴紹介をしたのですが,そのときに用意した 原稿に若干手を入れたもの をリンクしておきます.
先日の記載でも触れた Soukup 氏を含むブダペストのグループの人々と薄葉季路氏との共著論文の投稿版を, やっと書き上げることができました. 次のリンクは,この論文の投稿版 Fodor-type Reflection Principle and reflection of metrizability and meta-Lindelöfness と,投稿版でははぶいた初等的な細部も含めた 拡張版 です. 共著者の一人である Juhász 先生が年末に沢山の improvements の suggestions を送ってくれたので, それにちゃんと対応するのに手間取ってしまったのが, なかなか投稿できなかった理由の一つだったのですが, おかげで,暮れ正月から今までこれにかかりきりになってしまい, 年賀状やいただいた年賀状の返事など全部なにもやっていません. 年賀状を送っていただいた方には大変失礼しました. この数日で多少は何とか対応したいと思っています.(09.01.13(火19:29(JST)))
2009年1月9日に神戸大学で開催された 計算による数理科学の展開 2009 で 「Transfer Property としてのコンパクト性」という題の講演をしました.このときの スライドとスライドの printer friendly version をリンクしておきます. 先日のトポロジーの学会での講演でも,集合論以外の専門の数学者が主な聴衆だったのですが, 今回は,さらに専門領域の遠い数学者が対象の講演でした (スライドには無限基数の説明をしているページ(beamer の用語では frame)もあります), この種類の一般講演は,いつもとても緊張してしまいます.
何人かの方に僕のスライドのソースファイルについて質問を受けたので, 上の「Transfer Property としてのコンパクト性」に関する講演の スライドのソースファイル をここにリンクしておきます.ソースファイルで,%\printerversiontrue とある行の % をとるとプリンタフレンドリーバージョンを作成してくれます. (09.03.31(火23:59(JST)))
12月17日に高崎経済大学で開催された,2008 General Topology シンポジウムにおいて, 「Locally "nice" spaces の距離付け可能性とmeta-Lindel"of 性」 という題名の講演を行いました. 内容は,以下の2項目でリンクしたプレプリントからの結果が主で, 日本数学会での講演と重複の大きいものになっています. 数学会のときよりずっと沢山時間をもらったので, 証明も入れようと思ったのですが, うまくもりこむことができなくて, 本質的でないところの証明をちょっと話して終りになってしまいました. 参考までに,そのときの スライド と スライドの printer friendly vertsion をリンクしておきます. 今学期は大学の講義の一つで beamer を用いているのですが,これらのスライドは, この講義のスライド作成のために開発した, スライド・バージョンとプリントアウトのためのバージョンを同時に作成するための, 自作の beamer 用のマクロ集を用いて作成しています.
Fodor-type Reflection Principle,metrizability and meta-Lindelöfness: Lajos Soukup 氏を含むブダペストのグループの人々と, 薄葉季路氏との共著で書いた論文のプレプリント. 日本数学会での講演で話した定理などを含む.この論文は現在大幅な改訂中で, "Fodor-type Reflection Principle and reflection of metrizability and meta-Lindeöfness" と改題される予定です.
今年の夏に京都大学数理解析研究所で開かれた国際学会 の講究録に投稿予定の 論文. ここのところトポロジーの研究が続いているのですが,これもその流れでの結果の一つです. バルセロナで考えたことの一つの証明の細部を,この前の連休にひきこもってうめたものです.
2008年8月26日に京都大学数理解析研究所で開かれた国際学会 で,Reflection of non-metrizability という題で講演をしました.この講演では, 初めて beamer によるスライドを用いました.みんなが beamer を使っているので, へそをまげて今までさけていたのですが, Erice での学会 の折, Tomek Bartoszynski に強くすすめられたことがきっかけで使ってみることにしました. Tomek は数理研の学会にも参加していたので, beamer を使ったスライドを自慢しようと思っていたのですが,彼は, ちょうど僕の講演のあった日だけ旅行疲れで学会をさぼってしまっため,はたせませんでした. このスライドのファイルを ここ に置いておきます. 内容は,9月26日に予定している講演と重なるところのあるものです.
中部大学の "教務モニター" 経由で届けられた "学生の講義に対する意見や要望" に対する回答.
2008年9月26日(金)に日本数学会秋季総合分科会でのトポロジー分科会で, "Meta-Lindelöf 性と距離付け可能性に関するreflection properties について" という題名の講演を行います. 講演申込のときから大分研究が進んだので, そのとき提出したアブストラクトはアクチュアルでなくなってしまいました. そこでアブストラクトをアップデートしたものを ここ アップロードしておくことにします.
2008年の八ヶ岳フレッシュマンセミナー (第10回セミナー (2008年10月10日 (金)〜 15日 (月・祝)))でも数理論理学/集合論のセミナーを担当します. 今年のテーマはバナッハ・タルスキーの定理(逆理)です.
2008年春学期はスペイン,バルセロナの CRM 数学研究所 に客員研究員として滞在しています.バルセロナといっても, CRM のあるバルセロナ自治大学はバルセロナから地下鉄で30分くらい行った郊外にあって, セミナーや研究のディスカッションは,主に, ちょうど中部大学から言うと名大くらいの位置関係の(バルセロナ市の中心にある) バルセロナ大学でやります.そのため,2つの場所を一日に往復することも少なくありません. これはちょっと大変とも言えますが, バルセロナ大学にも相部屋のオフィスやインターネットアカウントをもらっているので, まあ,なんとかなっています. セミナーをやるバルセロナ大学の科学哲学研究所は, バルセロナ一番の目抜き通りランブラス通りからちょっと行った, 現代美術館のななめ前にあるので,ゼミに間にあうように急いでいるときなどは, カタルーニャ広場の地下鉄駅から, 英語やドイツ語やフランス語やイタリア語やときどきは日本語などをききながしながら, 観光客をかきわけて小走りに進んでゆく感じになります.
神戸大学で開催された Set Theory Meeting in Kobe 3/19 〜 3/21 2008 において, "On (anti)hierarchy of reflection principles" という題で2008年3月21日に行なった講演のスライドの pdf 版 .
講究録のためのノート. 2007年の数理研での集合論の研究集会で "Fremlin's Covering Property" という 題で行なった講演で述べたことを整理したもの.
2008年の2月8日に神戸大で開催された 関西集合論セミナー で講演をしました.この講演で用いたスライドの pdf 版 です. 今までのスライドのファイルとフォーマットが微妙に違うのは, 最近いつも持って回っているノートブック・コンピュータを新しいものに変えて, スクリーンのサイズが変ったため, この新しい「××vistaマシン」に合わせてスライドの設定を変えたからです. ただし,「××」はマシンにではなく vista にかかる denunciative な形容詞です.
2008年の2月の後半にトロントの Bernhard Koenig 氏を名古屋に招待しました. 氏の滞在期間中の2月23日(土)に,また中部大学で昨年の11月に行なったような ミニ国際学会 Set Theory in Kasugai 2008 を開催しました.この一日前の 2月22日(金)午後にも中部大学で informal なセミナーを行なったのですが, このとき集まった数人で,中部大学の 茶室 を見学しました.茶室の床の間にかかっていた「円相」の禅画は 「無限や真理」を象徴するということです. 「無限と真理」はまさに集合論の精神そのものなので,円相をあしらったロゴを 作ってみたくなりました. 以下は,茶室を見学したときにとってもらった写真のファイルから作ったものです. 前のコンピュータのお絵書きプログラムには入っていた,背景色を透明にする,という機能が, 今のコンピュータのお絵書きプログラムではできなくなっていたため, ちょっとまぬけな画像しか作れなかったのですが, 08.03.23(日)に市販の某ソフトを導入したので,それを使って少し修正してみました.
2007年11月24日に,これまでにも sporadic に開催していた, Set-theory in Kasugai を中部大学で開催しました. 今回は一日だけのミニ国際学会でしたが, バルセロナの集合論研究グループのリーダーの Joan Bagaria 氏, ブダペストの集合論グループのリーダーで, 集合論的トポロジーの第一人者である Istvan Juhasz 氏のお二人に main talks をしていただき,お二人以外にも複数の海外からの参加がありました.
2007年9月24日に東北大学で開催された日本数学会秋季総合分科会の「数学基礎論と歴史」 分科会で特別講演を行いました.このときの 予稿に少し手を入れたもの と スライド.
「ゲーデルと20世紀の論理学」 第4巻 「集合論とプラトニズム」(東京大学出版会) が先日出版されました. 拙著「構成的集合と公理的集合論入門」が,第I部として収録されています. このテキストの最初の部分は,下記の 数学基礎論サマースクール での私の講義で前提とする知識に対応しています. また,このテキストの前半の一部を 八ヶ岳フレッシュマン・セミナーでの私の担当するセミナーのテキストとしても使いました.
2007年9月4日から9月7日に 数学基礎論サマースクール で強制法の入門の講義を行いました.講義の参考資料は ここに置いてあります.講義の後にも若干アップデートをしています.
10月5日(金)から8日(月・祭日)に開催された,2007年度 八ヶ岳フレッシュマン・セミナー講師の一人として 集合論のセミナー を担当しました.内容は,Erdös=角谷の定理とその応用の証明を通じて, 無限組合せ論の初歩に触れてもらおう,というものでした. 超限帰納法など, 数学科の初年度で教わる標準的な教材には含まれていない知識を沢山含む内容だったのにもかかわらず, 参加者の学生諸君の最後の発表は,学部生のゼミとは思えないとても良いものになったと思います.
理学教室の 北村市次郎先生を偲んで にもあるように, 今年2007年の1月末に理学教室の北村市次郎先生が急逝されました. 実は私もこのページの発起人の一人だったのですが,なかなか 追悼文 が書けないでいました.忙しかったこともあるのですが …
「現代思想」2007年2月臨時増刊号に「連続体仮説とゲーデルの集合論的宇宙(ユニヴァース)」 という題の論説を寄稿しました. 「一般=文系寄りの読者にも理解しやすいように論じて」もらいたい,という要望に答えるべく書いたものです. 昨年来このような作文を沢山やって疲労困憊という感じ.しかし,反応は,専門家からは,例えば 『集合論の出発点からの記述なので,書き方に苦労されたことでしょう』などとほめられることが多いのに, 「一般の読者」からの反応はどうもかんばしくありません. 読後ポジティヴな感想を持った人はぜひはげましの手紙をください. おだてられれば,また一般向きのものを書くかもしれませんから.
2006年秋学期に中部大学で開講されている「数学の考え方」の補講で「数学と無限 - 無限のパラドックス」という題の講演をしました.この講演のスライドと東北大学での講演のスライドの改良版 を使って2006年12月5日に静岡大学理学部数学科の談話会で講演をしました.
「数学のたのしみ」2006年秋号に,ゲーデル特集の記事の一つとして「ゲーデル以降の数学と数学基礎論」と題する文章を寄稿しました.
2006年11月14日に東北大学大学院理学研究科 数学専攻での談話会で「集合論から見た非可測集合」という題で一般講演を行いました. この講演で使ったスライド.
2006年10月24日に行なった微分積分学Iの演習問題と解説.
2006年10月16日と17日に行なった微分積分学Iの演習問題と略解: 16日分, 17日分, x
2006年10月18日に京都大学数理解析研究所における研究集会で ``MAD families over given AD families''という題の講演をしました.この講演で用いたコンピュータの出力の pdf 版
2006年度秋学期に中部大学で開講の講義 「数学の考え方」のテキストを書きはじめました.学期を通じて少しづつ更新してゆく予定です.
依岡 輝幸氏(静岡大学)が 氏の「連続体の組合せ論的研究」の業績により, 若手数学者に贈られる日本数学会賞建部賢弘賞2006年度奨励賞を受賞しました. ロジックの若手研究者がこの賞を受賞するのは初めてです.
2006年度春学期に中部大学の「総合科目」で「インターネットにある本と天国にある本」という講義をしました. これはその予稿の原稿です.
2006年の2月から3月にかけて,バルセロナの CRM数学研究所 に滞在しました. このときの 旅行記のようなもの を中部大学の学内報 アンテナ73号 に書きました.これはごく一般向けの旅行記ですが, もう少し数学に関する話題も盛り込んだ 作文 が 数学セミナー 2006年7月号に掲載されています.