渕野 昌 (Sakaé Fuchino) の web page.

この web page に関することなどについての
コメント等はこのページの末尾にあるメールアドレスまでお送りください.

       
       
       

更新記録/etc.
リンク集
English Version
伯母野山日記
『無限のスーパーレッスン』の hyper-critique
巨大基数と巨大な巨大基数、超数学での無限と集合論的 無限、それらに対する有限の諸相
集合論と圏論
業績リスト
Some preprints and recent papers      Kobe Set Theory Seminar
Researchmap 上のページ

       
       
       

私は 数理論理学ロジック), 特に 集合論 に関する研究をしています. ただし,日本では単に 「集合論」と言うと, 高校や大学で習う集合算のお勉強のようなものと勘違いされることがあるため,自己紹介では, 公理的集合論 (axiomatic set-theory(英)/axiomatische Mengenlehre (独)/théorie axiomatique des ensembles (仏)) を研究している,と言うことも少なくありません. 2003年の日本数学会秋季総合分科会での私の企画特別講演では, 集合論の 「数学の基礎」としての位置付けや「数学の研究分野」としての集合論について論じましたが, この講演の予稿が ここ にリンクしてあります.Wikipedia にも集合論の項目がありますが, ドイツ語版 では,現在 (2010年7月11日)の版は最後の章で集合算の計算則をならべていて, まさに「集合算のお勉強」の印象を与えるものになっています. これに対して, 英語版フランス語版 では,forcing, constructible sets, 無矛盾性証明などの20世紀後半の研究成果に関する言及やそれらに関する項目へのリンクもあります. フランス語版は大筋は英語版の訳のようですが, 分っている人が訳していることの分る文章になっていて, 両方ともまあまあの出来と言えると思います.残念ながら日本語版の wikipedia の「公理的集合論」項目は現在のところ, ドイツ語版と似たり寄ったりかそれ以下のものになっていて,あまりおすすめできません.

私は1979年から20年近くドイツに在住していました. ドイツでは主に ベルリン自由大学数学・情報科学科 に所属していました. 1994年に,エルサレムの ヘブライ大学サハロン・シェラハ 先生の研究助手を半年間勤めました. 「数学セミナー」1997年7月号に,このときのことを書いた 記事 があります. 1997年の4月に 北海道北見市 にある 北見工業大学 情報システム工学科 に移り, 2001年3月までこの大学で理論計算機科学を教えていました (その後再三の改組でこの組織は現在では存在していません). 2001年4月から2009年9月まで 愛知県 春日井市 にある 中部大学理学教室 に所属して,教養の数学を教えました (この組織も改組で現在は存在しませんが, 当時の理学教室の紹介記事が ここ から download できます).

2009年10月から, 神戸大学工学研究科 情報知能学専攻 に移り, 数理論理学,統計学,計算科学を研究するグループ に所属しました.

2010年4月に私の所属する専攻は``分家''して, 神戸大学システム情報学研究科と改組されました.兼任している undergraduate course の方は依然工学部に属しているので, ねじれ位置にある職場(複数) という中部大学でも経験した状況が再現されることになってしまったみたいです.

2020年の3月31日に,名誉教授の称号をいただき,神戸大学を退職しました. 名誉教授の特典として大学のメールアドレスとアカウントをキープさせていただき, 科研費の事務のサポートもしていただけるようです (まあこれは間接経費を供給するので当然といえば当然でしょうが). これで北米のように graduate students を official に指導する権利などもあれば言うことはないのですが ...

私の エルデシュ数 は2です. Mathematics Genealogy Project によれば,ドクター論文の主査だった コッペルベルク先生の学問的祖先 (学位論文の指導者を親と看倣したときの系図) をたどると, ヘーゲルフィヒテカントライプニッツ が,私の学問上の祖先です. また,直系ではありませんが, フレーゲ とも遠い大叔父/又甥関係 (フレーゲの指導教官が私の学問上の祖先)にあります. ドクター論文の副査だったステプランス先生の側の学問的祖先には, マリーエレン・ルディン,ポワソン,ラグランジュ,ラプラス,オイラー,ベルヌーイ (ヨハン, ヤコブ), ダランベールなどもいて,こちらの家系もライプニッツに連なっています. (Martin Goldstern の系図作成プログラムで作成された僕の学問的家系図はこんなかんじです)

先日 Bristol 大学の Philip Welch 教授にこの家系図の話をしたら,"誰々から n handshakes だけ離れている",というジョークというかパーティーねたを教わりました. この言い方でいうと,私は,James Joyce から 2 handshakes しか離れていません. 1970年代の終りに,ベルリンで生活を始めたときに,故 Helmut Stark 先生 (ベルリン工科大学の名誉教授で図学を専門にしていた方でした) にお世話になったのですが, 先生はトリエステで育って,そこでの英語の家庭教師が James Joyce だったということです.後で有名な文学者だということを知って驚いた,ということでした.


更新記録/etc. in reverse order

◆[24.03.07(木14:10(JST))] Recurrence Axiom に関する薄葉季路氏との共著論文の preprint を, https://fuchino.ddo.jp/papers/recurrence-axioms-x.pdf に upload しています.ArXiv にも置いてあるのですが,こちらの方が up-to-date です.

◆[23.12.08(金14:39(JST))] Recurrence Axiom に関する survey paper を, 私の diploma 論文の指導教官だった,Janos Makowsky の生誕75歳記念論文集に投稿しました. この論文の拡張版. これは pdfLaTeX でコンパイルするように書いているのですが,ずっと分らなかた, 日本語のテキストを挿入する方法がやっと分ったので, このファイルでも私の名前とアブストラクトを日本語でも書いてみています.ただし, ここにリンクしたのは,論文が発表された後に postprint (この単語は preprint の dual として使っている私の造語です) となるべき version で,投稿版には日本語は入っていません.

通常は,論文を書くときには,投稿版と postprint 版と私家版の3つの version が生成されるように書くのですが,この論文では,更に,講演で用いる版を作ってあります. 先日これを使って, 早稲田の集合論セミナー (zoom seminar) で話しました.

◆[23.12.08(金14:29(JST))] 『ユリイカ』2024年1月号に,『レオナルドとの会話、 あるいは現実と非現実の硲について』という題の作文を寄稿しました.これは, panpanya さんへの hommage のつもりの作文なのですが,panpanya さんの作品の lucid dreaming 的な感覚を文章に移したらどんな文体になるかを考えて書いたため, ちょっと普通でない日本語になっています.この作文は「ユリイカ・デヴュー」だったので, ちょっと頑張って書いてしまったところがあったかもしれません.

◆[23.07.09(日00:37(JST))] 先日, 私の『計算、証明、有限、無限』という題の作文の載っている,『現代思想 二〇二三年 7月号 特集* 〈計算〉の思考』が発売されました.この作文でも雑誌に掲載されたヴァージョンと, 拡張版の間の乖離が, かなり大きなものになってしまっています. 本文では長くなりすぎて section を1つまるごと削除したものが,拡張版では復活されています.

◆[23.07.09(日00:43(JST))] RIMS 講究録に掲載予定の作文は原稿を投稿してから大幅に加筆訂正して,表題も投稿版とは異る Maximality Principles and Ressurection Axioms under a Laver-generic large cardinal になってしまっています. 更に brush-up したものを検読つきの雑誌に投稿する予定です.

◆[23.06.10(土02:32(JST))] 先日 の Kobe Set Theory Seminar の zoom talk の slides を update しました.main slidesadditional slides

◆[23.04.19(水00:04(JST))] 2001年に中部大学紀要に発表した, 『加法的関数について』という論説を大幅に加筆/拡張しました. この拡張版は, ここに置いてあります. 特に,「指数関数の特徴付けと選択公理」という新しい section を付け加えて, そこで,たとえば,Axiom of Determinacy のもとでは, 関数の連続性を仮定しなくても,$f(1)=a$, $f(x+y)=f(x)f(y)$ という性質だけから, 指数関数 $ℝ\ni x\mapsto a^x\in ℝ$ の特徴付けができる.ということの詳しい証明が,そこに書かれています.

これは,専門家にもあまり知られていない事実かもしれません. 今日 (2023年4月19日),酒井拓史氏に,この事実と,そとの証明のあらましを話したら, 彼はこのことに気がついていなくて,すごくびっくりしていたので ...

この拡張版で書いたことは, Quora のこの解答の続きにもなっています.

◆[23.02.20(月22:02(JST))] Joel Hamikins の,Nonlinearity and Illfoundedness in the Hierarchy of Large Cardinal Consistency Strength という Qeios に投稿された論文の review を書きました.Qeios の reviews は,無記名ではなくて,業績としても count できるもの (にすることで reviewer をさそっているもの) なので,ここでも書いても問題ないわけです.

◆[23.02.20(月21:55(JST))] 昔の写真を見ていたら, 2014年 1月20日の講義の板書の画像が出てきました.「数理の世界」という題の講義で, Sylvester-Gallai の定理のことを話したものだったのですが, これは講義の板書の画像を internet に post するようになる前の時期のものだったので, どこにも upload していなかったようなので ここに 置いておくことにします. 整形したついでに,証明の細部を少し補足してあります.10年近く前の板書を修正する, というのも不思議な感覚がありますが, 中学の幾何の問題のような感じの証明の細部がぬけていたので,これも補ってあります.

◆[23.02.03(金18:27(JST))] 3月7日に発売予定の「自己隔離期間の線型代数 I」の web page を立ちあげました. この本を買った人には,この本の最新版の (つまり出版後の訂正/補筆も含むバージョンの) pdf ファイルが download できるようにする予定です.

◆[23.02.03(金18:17(JST))] 選択公理のバリエーションとチヒョオフの定理を, On the roles of variants of Axiom of Choice in variations of Tychonoff Theorem という題の作文昨年の暮に仕上げました. RIMS 講究録のトポロジーの研究集会の号に載る予定です.論文というより expository paper に近いものです.

◆[22.10.29(土20:51(JST))] 昨日まで数解研で(hybrid) 開催されていた,RIMS set theory workshop 2022 に in person で参加して,On weak compactness of extended logics という題の講演をしました. 講演の スライドのリーダー/プリンター版 には,京都と神戸のパノラマ画像の隠しリンクがはってあります.京都のパノラマ画像は, Tristan van der Vlugt 君の大文字山から撮ったものです.

◆[22.10.20(木10:29(JST))] 先日の New York での seminar talk では,(New York の set theory seminar の tradition どうりに),講演中や講演後に, 数学以外の (雑談の質問/コメントを含めて) 沢山の質問やコメントを頂いて, とても嬉しかったのですが,Gunter Fuchs のくれたコメントを workout した結果, ずっと分らないでいた, Resurrection Principles と Laver-genericity の関係を紐解くための糸口を見つけることができました. これに関することを 講演のスライドに 2ページほど書き加えてあります. Tsaprounis による Resurrection Principles の拡張と Laver-genericity は,ほとんど同じ概念の異る formulations と言えるかもしれません.

◆[22.10.08(土21:13(JST))] 昨日 (というか日本時間の日時でいうと今日の深夜零時から約90分), New York Set Theory Seminar で,Definability of Laver-generic large cardinals and largeness of generic large cardinals with chain conditions という題の講演をしました. このごろ,セミナーで数学の講演をすると参加者の最高齢者になっていることが少なくないのですが, Adrian と Andreas が聞きにきてくれていたので,その状況はさけられました. このときの スライドのプリンター/リーダー版ここ に post してあります.

◆[22.09.29(木11:36(JST))] 10月 7日 (日本時間では 10月 8日 0:00 〜) に New York set theory seminar で講演予定です.この講演の abstract をセミナーのページに掲載してもらうために, organizer の Victoria Gitmann が使っている tool でうまく変換のできるような LaTeX コードを書くのに苦労しました. むこうで使っている tool がどう動作しているのか分らないので,どのコードが通るのか, というのを guess しなくてはいけないので ... この guess のためと,僕も似たような変換を Kobe Set Theory Seminar の webpage で使ってみたいので,TeXlive に含まれているmake4ht がどう動くのかをチェックしてみました.

この html file は ニューヨークでの講演の講演の abstract の日本語訳の LaTeX ファイル を,

  make4ht -ul newyork2022-10-fuchino-abstract-j.tex "mathjax"

としてコンパイルして得られたものです (u は utf-8 coding を使うオープションで l は luatex を tex engine として使うオープション).

だだし,これはまだ最終版の解決にはなっていません. 実は,もとの .tex ファイルの方が,たとえば uplatex ではうまくコンパイルできないからです.この問題の解決策となりそうなものは, ネットで調べて分ってはいるのですが,今はちょっと時間がないので, 後で時間のあるときにテストして,今はお休みになっている Kobe Set Theory Seminar が再開するまでには,使いこなせるようにしたいと思っています.

◆[22.09.07(水20:03(JST))] RIMS の数学史の研究集会で9月8日に, 講演を予定しているのですが,この講演で話すことの準備で必要になって, 必要になって,昔数学セミナーに載せてもらった, 「集合論は矛盾する?!」という題の作文に目を通しました (数学セミナー 2001年 2月号). これは,多少手のこんだ LaTeX file を書くようになる前の時期のファイルなので,coding system を変えて,\documentstye を \documentclass に変えるだけで,現在の TeX 環境で compile できました.Compile したものを, ここ に置いておくことにします.

◆[22.08.10(水11:30(JST))] 昨年に亡くなられた, 新倉俊一の詩集 『ビザンチュームへの旅』を読みました. 新倉俊一は,西脇順三郎の詩での引用の出典の研究をされた方なので, この詩集に含まれる詩や散文でも西脇順三郎の詩からの引用やパラフレーズがちりばめられています. そのことについては,ここでも触れました. 本の表題にもなっている 『ビザンチュームへの旅』という,東西ローマ帝国への旅を歌った巻頭詩では,他の引用に混って, 地中海の旅を歌った西脇順三郎の『皿』という詩が引用されています.この詩は,昔, 僕のイスラエル滞在について書いた, 『黄色い菫の咲くころの昔』という作文でも, エピグラフとして引用したことがありました.今,そのことを思い出したついでに, この作文のファイルに若干の手直し (主に URL の update や他の link の付加など) をしてみました.

◆[22.07.24(日19:03(JST))] 神戸に移住してから, 神戸や兵庫のサイエンスカフェーで6回ほど講演をしたり, 講演のアレンジをしたりしました.これについて,レポートを書いてほしい, という要望があって,今,作文を始めているところです.このレポートには,これらの講演の slides のリンクを文献表に入れる予定なので,そのための,チェックをかねて, とりあえず,2010年にやった神戸のサイエンスカフェーでの最初の講演の slides の pdf をコンパイルしなおしてみました.このスライドは printer-friendly version を自動生成するためのマクロを発明するより前のものなので,pdf ファイルを作るには手動で, 色々調節しなくてはいけなくなっています. 現在の LeTeX の設定でのフォントが幾分当時のものより読みやすいものになっていて, 小さな手直しを1つした以外は,内容的には, もとのもののままです.このスライドと, 最終講義のときのスライド (の最期の方のページ) を比べると,私の神戸大学在職中の研究の進展のあとがうかがえると思います.

◆[22.07.14(木21:12(JST))] 『数理科学』2022年6月号特集に掲載された論説 「ハウスドルフの集合論と位相空間論の誕生」 の pdf ファイル を update しました. 出版社との約束で,本文が白紙になったものをしばらく置いてあったのですが, ほとぼりがさめたので,可読なヴァージョンで置き換えてあります.

◆[22.06.22(水00:49(JST))] RIMS での数理論理学の集会の参加は,先週と先々週に続き3週目です.田中一之さんの tutorial 講演を聞いていたら,Büchi の定理の話が出てきました. この定理については前に講義で話したことがあったと思って探してみたら, 2014年と2015年の前期の講義でした. この スライド のソースファイルを, 今の beamer のセッティングでコンパイルできるように書き直して,この pdf ファイルからのリンクのアップデートをしてみました.スライドには,田中さんの tutorial でも出てきた Ehrenfeucht-Faïssjé の定理の応用も出てきてオーバーラップはかなり大きいみたいです.

◆[22.06.07(火18:30(JST))] 2022年 6月7日に, RIMS symposium Set-Theoretic and Geometric Topology, and their applications to related fields で, On reflection, hereditarity, and absoluteness of topological properties という題の講演をしました. 時間内にあまり思ったより話を進めることができなかったのですが,話せなかった話題も含む, スライドここ に upload してあります.

◆[22.06.02(木12:41(JST))] 2022年 6月1日に,その前の週の Kobe set theory seminar での講演の続きをしました.このときの, スライド は, ここ に置いてあります.

◆ 2022年5月25日の Kobe set theory seminar での講演の スライド では, 一箇所,そこで書いた文言そのままでは正しくない 「定理」を主張してしまっていました (リンク先の スライド には, 訂正のコメントを入れてあります). 講演では,酒井拓史さんに 「これ本当に正しいんですか?」 と質問された主張があったのですが (講演は英語だったので,この質疑応答も英語), その主張ではなくて, それとは別の命題でした.この両方の「定理」について 6月1日の続きの講演で話す予定です.

◆ 2022年5月25日に Kobe set theory seminar で ``On Magidor’s characterization of supercompact cardinals as Löwenheim-Skolemnumbers of the second-order logic'' という少し長い題の講演をしました. この講演の スライド. この週の次の週に,この講演の続きの講演を予定しています.

◆ 2012年に, 神戸大学情報知能工学科 学部1年生のために開講されたガイダンス授業での研究室紹介のときに作ったスライドを, リコンパイルしました. この授業の後半で数学の例として模擬授業で話した Wallace-Bolyai-Gerwien の定理の証明をチェックしようと思ってファイルを開いたのがきっかけだったのですが, 当時の研究グルーブの構成員リストなども挙げられていたので, 現在のものではないことを注意するすかしを (pdf レベルで) 入れました. LaTeX のすかし(watermark) のパッケージはまだ究極のものがないようです.

このファイルで,Wallace-Bolyai-Gewien の証明は,必要な部品を全部並べあげる形で書いてあって, 数学のセンスがある人ならこれから直ちに証明が生成できるはずですが, 部品の1つ (等面積の長方形がハサミ合同であることの証明) は,絵から証明を抽出するのは, それほど簡単でないかもしれません.

任意の多角形が対角線(多角形の内部を通る対角線) で切ることで (複数の) 三角形に分割できることの証明は, 近刊の「自己隔離期間の線型代数 I」に書いてあります.

◇ [22.04.23(土09:12(JST))] May 24, 2022 (Tu) | 16:00 -- に, Kobe set theory seiminar で, On Magidor's characterization of supercompact cardinals as Löwenheim-Skolem numbers of the second order logic という題の講演 (zoom) を行ないます. 5月18日の講演では話しきれない証明について,この講演で話してみたいと思っています.

◆ [22.04.23(土08:59(JST))] 2022年第1クオーターからの Kobe set theory seiminarweb page を作成しました.

◇ [22.04.23(土09:06(JST))] Wednesday, May 18, 2022, 17:00-18:00 に Tokyo model theory seminar で,On Downward Löwenheim-Skolem theorems of some non first-order logics という題の講演 (zoom) を行ないます.

◆ [22.03.19(土22:57(JST))] 『論理、 この厄介なもの』という題の私の 論説が, 『現代思想』2022年4月号 特集=危機の時代の教育に掲載されました. 私は教育の専門家でないため,教育について書くと,つい内容が過激になってしまいがちで, 執筆時間があまりなかったこともあり,それを調節するのに非常に苦労しました. すぐ下で触れた数理科学に書いた作文も,まあ教育に関するものと言えなくもないのですが, こちらの方は,教育と言っても,大学教育なので,内容が多少は過激でもそれほど困らないと思うのですが ... この論説の拡張版は ここ に upload され (る予定です/ています). これについても,雑誌が発表されてから一ヶ月ほどの期間は,本文を白紙にした version が upload されています.

◆ [22.03.19(土22:57(JST))] 「ハウスドルフの集合論と位相空間論の誕生」という題の論説が 『数理科学』2022年6月号特集に掲載予定です.この論説の拡張版 pdf ファイルは,ここ にリンクされていますが, 出版社との約束で,しばらくの間は,本文が白紙になったものを置いてあります.

◆ [22.03.15(火20:11(JST))] 今度の RIMS 講究録に掲載予定の,酒井拓史さんと共著の論文 Generically supecompact cardinals by forcing with chain conditions の preprint を ここ に置きました. ArXiv にも post してありますが,こちらの方が最近に updated されている可能性が高いものです.

◆ [21.12.12(日22:45(JST))] 2021年12月10日に,東北大学ロジックセミナーで, On the possible solution(s) of the Continuum Problem という題で講演をしました.東北大学のロジックの学生に分かるような講演, という要請があったので, 特に前半は,前提知識をほとんど仮定しない説明の仕方になっていると思います.

◆ [21.12.12(日19:58(JST))] 2021年12月 3日に,2021年の「数学基礎論若手の会」で, 無限と有限の硲(はざま) にて というちょっと怪しげな題の講演をしました. ここでリンクしたスライドは,講演の後で更に拡張したものになっています.

◆ [21.12.07(火11:06(JST))] ネット上に置いてある文書の大半は,ある意味で work in progress で, James Joyce のそれのように, 想定 ... というより夢想された最終版に向って,書き進められているのですが, なかには,途中で放棄されて,書いた本人も忘れてしまっているものもあります. そのような文書は, 何かの拍子でネット上でとり上げられていて,それを見て再発見することもあり, 他のファイルを (local file system で) 探していて発見することもあります. 「ヨーロッパ文明は終った ? --- 思考障害に向けてのディスコース」 は, 後者のパターンでした (初出は 2012年です). 私は脳天気なのか, 昔の作文を読みなおしたとき「なんだ昔の自分は結構いいこと言ってたじゃん」(私は, 東京の bad language が大阪弁でなく,横浜の浜言葉だった世代に属すので ...) と思ってしまうことが多いのですが, この作文も(昔の)自分のことながらよく書けているのにいたく感心してしまいました. この文書の working in progress を再開してみたところです.

◆ [21.11.30(火16:36(JST))] 数セミ 2018年 9月号に掲載された, 「間違いと真理: 解析学と集合論の場合」 という記事の拡張版の update をしました. この記事の拡張版では,雑誌では枚数制限のために削除した証明がすべて再現されています.

◆ [21.11.07(日15:51(JST))] 2014年に数学会の雑誌 「数学」に寄稿した,The Higher Infinite の書評 (この書評については,旧版の翻訳を私自身がしているので, ちょっとおかしな話なのですが,それに関する事情については本文で述べています) と, 集合論への入門を促す小文の,それぞれの拡張版の若干の update をしました.これらは,

[書評] Akihiro Kanamori: The Higher Infinite: Large Cardinals in Set Theory from Their Beginnings, (数学, 66(2) 216--221, 2014年4月)
公理的集合論 --これから学ぶ人のために-- , (数学 65(4), 411--420, 2013年10月)

から download できます.

◆ [21.10.28(木19:02(JST))] 10年くらい前に, やった educational な講演のスライドを update しました. といっても,内容の変更はほとんどなく,主に link 先の URL を更新して,現在の upLaTeX で compile できるようにコードを補正しただけですが:

▻ Mystery Train (2010年11月22日の講演,引用した画像は前のものより鮮明になってると思います)

▻ 平面単位距離グラフの彩色について (2011年7月20日の講演, こちらのファイルでは,2018年にあった進展について補足で触れています) なお,当時書いた, この講演の顛末記が,ここ にあります.

◆ [21.10.23(土14:20(JST))] どうも,僕のドイツ語をキープするのに必要, という口実でドイツのテレビを見すぎだし,語学の勉強と,作文力の向上という口実で twitter に時間をかけすぎです.テレビはどうしようもない刑事物を沢山見ているおかげで, 「これは俺のヤマだ」と日本のテレビで刑事が言うときに,ドイツでは „Das ist meine Baustelle.“ と Kommissar*in が言う,というのを知っていたりする, というような効果として現れていますが, twitter については,語学以外にも効能がある,ということを証明して, へりくつの上塗りをしようと試みる傾向があるようです:

以下は,Joel Hamkins の tweet を見て気が付いた,数学の哲学での議論です.

Joel's argument inspired me the following: https://t.co/ke3DQSMJKS https://t.co/nbaKnm47zc

— Sakaé Fuchino (@SakaeFuchino) October 21, 2021

◆ [21.10.22(金07:17(JST))] 先週に,zoom meeting として開催された,RIMS Workshop "Recent Developments in Set Theory of the Reals" で,講演をしました. Diego Mejía とやっている共同研究の紹介で,僕が今理解していることだけをまとめて話したため, 大変に初等的なはずかしい講演になってしまったのですが, 初等的なことをきっちりと説明したつもりではあるので,educational ではあるかもしれません. スライドのプリンター版は ここ に置いてあります.このスライドについては, 次の tweet reply

In my slides, it is robots who play the games and they are "it/it".https://t.co/7Yb2lxHOUX pic.twitter.com/Xv6Ow7zYTG

— Sakaé Fuchino (@SakaeFuchino) October 21, 2021
でも触れています.

◆ [21.06.14(月12:52(JST))] 先日,Barcelona の講演で話したことを含むノートを, RIMS 講究録に投稿したのですが,この 原稿 を投稿した直後に,そこに書いたことの一部の大幅な改良が得られました. 酒井さんとの共著のこの論文の preprint は ここ に置く予定です/いてあります.

◆ [21.05.13(木01:16(JST))] 2021年 5月12日に,Barcelona の集合論セミナーで講演しました. そのときの スライド の printer friendly version. 講演の後に Andreas Blass が質問してくれたのはとてもうれしかったのですが, それに対する僕の答が完全でなかったので,もっとちゃんとした答をまとめなくては,と思っています.

[21.06.30(水13:29(JST)) の補筆] このセミナートークで話した内容は,その後, 上で触れている 酒井拓史さんとの共著論文 で大幅に改良されれいます.

◆ [21.04.05(月01:21(JST))] 2021年 3月26日に,Toronto の集合論セミナーで講演しました. そのときの,スライドの printer friendly version.

◆ [21.03.14(日16:33(JST))] 先日の zoom workshop で,``Monte Carlo Strategies for Guessing Games and Takeuti’s Reflection Axiom'' という題の講演をしました. スライドを ここ にリンクしておきます. この講演の内容は,数学セミナー1999年 5月号 (22年も前です!) に載った, もうだいぶ前に故人になられた竹内外史先生の 「ランダム実数と連続体問題」という題の記事に書いてあったことについて, 僕の,2021年での知見から答えたものです.この数学セミナーの記事を読んだのは, 僕がドイツから日本に移住して, 北見に住んでいた時でしたが,あの頃,この記事を読んだときに頭の中でもやもやしていたものが, ある程度形にできたように思えます.

◆ [21.03.07(日10:48(JST))] 2021年 3月 9日から,3月11日に,集合論の zoom workshop が神戸で開催されますされました. organizer の一人である酒井拓史さんの web page にある, 学会のページ には, スライドと講演の youtube のクリップが置いてあります. 別の zoom seminar の chat で,この神戸の学会は,僕の retirement に際しての学会,と銘うっているのが embarrassing だ,と言ったら,そこに参加していた,御自身も retired professor の Jan van Mill 教授から,「embarrassing と感じる必要ないでしょう」と言われてしまいました. でも,日本では,数学者の大半が retirement よりずっと前に active な数学者であることをやめてしまうので,その人たちの退職後と一緒にされないために, 「僕が retired したのは,教授会や入試関連業務からで, 数学研究からではない」と毎回説明しなくてはいけないプレッシャーを感じる, というのは,やっぱり embarrassing です.

◆ [21.01.23(土18:42(JST))] 2009年に筑波大学で行なった私の集中講義の講義録を読んで,内容に関するコメントを送ってくれた人がいたので, それを機会に,指摘していただいた事柄を含めた,いくつかの点について補筆/修正をしたものを: 初等部分構造の集合論での応用 として reload しました.まだ後半が未完成のまま残っていますが,これは, 次に余裕ができたときに書き加えることにします.

◆ [21.01.09(土15:56(JST))] 現在, ここ数年に行なった線形代数の講義の教材や講義録 (これは ここ に置いてあります) などを再利用して, でも,大幅に普通の教科書には絶対に書いていないようなことも沢山書き加えて, 『自己隔離期間の線形代数』という題の本を執筆中です.ゆくゆくは3巻になる予定で,第II巻には, 線形代数から進んで勉強のできる数学理論について, 第III巻には線形代数と関連する物理学 (量子物理学を含む) とそのための数学理論についても書く予定ですが, 今は第I巻の執筆がなかなか進まず苦しんでいるところです.他の book projects もいくつもあるので,本当は,さっと終らせて次に進みたいのですが.

この本の原稿の検読/だめ出しのボランティアを募集しています. もしやってみてもよい,という方がいたら御連絡ください.

◆ [21.01.04(月13:25(JST))] 2000年に書いた 「連続体仮説と数学」という作文が出てきたので読みなおしてみたのですが, その時点で連続体仮説について自分で理解できていたことから,ずいぶん進歩した, とも言えるような気もするし,あまり進歩していなくて, 当時既に直観的に理解していたことのいくつかに,厳密な証明がつけられただけだ, と言えるような気もします. とりあえず,本文は,小さな補正以外は,ほぼ当時のままにして, hyperlink を調節し,末尾に付記を加え,新しい文献を,いくつか文献表に加えたものを,upload してみました.

◆ [20.12.03(木13:39(JST))] 11月に zoom conference の形で行なわれた RIMS での 集合論のワークショップ で ``Rado’s Conjecture and Hamburger’s Hypothesis'' という題の講演をしました: スライドのプリンター版

◆ [20.12.03(木13:08(JST))] 10月の末に,covid-19 で延期になっていた,神戸大学の 「最終講義」を online で行ないました.講義は youtube で閲覧できるようになっています. この講義のスライドのプリンター版は ここ からダウンロードできます. プリンター版といっても,変更点は,主に beamer の \pause を不活性化したことだけです. 特に,ハイパーテキストの機能は生きていて,クリッカブルな画像になっていて, 講演のときには結局使わなかった,隠れたリンクがいくつかあります.

私の退職に関連して行なっていただけることになっていた研究集会も延期になっていましたが, これについても,多分 zoom conference の形で,近いうちに開催される予定なので, そのときもう少し専門家向けの「最終講義」をしようかと思っています.

◆ [20.05.20(水16:41(JST))] 古い作文をチェックしていたら, 冬の旅 --- ポーランドとチェコへの数学の旅 という,2016年に「数学セミナー」に寄稿した文章が出てきました.たった4年前の作文なのに, なんだかずいぶん昔のような気がします.しかも,LaTeX のシステムの設定の update で昔の source file のままではもう upLaTeX の compiler に通らなくなってしまっていました.調節して compiler にかけたら 2016年には,type set することができなかった utf-8 の記号が版組みできるようになっていて,『中国の Zhangzhou (□州 --- ただし ``□'' は`さんずい'に`章')』 としていたのが 『中国の Zhangzhou (漳州)』と変更することができています.この作文に出てくる Buhuslav Balcar 先生も Petr Simon 先生も鬼門に入られてしまいました.文章の末尾に, 1991年か1992年の作文で, どこにも発表せずに眠っていた当時のポーランド旅行記のようなものを付録として付けてあります.

◆ [20.04.14(火13:49(JST))] 今年の3月31日に名誉教授の称号をいただいて, 神戸大学を退職しました. 退職に際して大学の広報誌に寄稿した文章に少し手を入れたもの工学研究科の広報誌に寄稿した文章に少し手を入れたもの をここにリンクしておきます.

日本では,Professor Emeritus は graduate students を持てないし,研究上の便宜もほとんどはかってもらえないので, ヨーロッパか北アメリカに移住することを考えていたのですが,COVID-19 のため,当座は身動きができそうになくなってしまっています. 2020年の春学期はひき続き神戸大学で非常勤で線形代数を教えることになっていて, いずれにしても移るのは今年の後半以降にしようとは思ってはいたのですが.

◆ [20.03.10(火20:00(JST))] 今年の2月初めに2019年の初めから書き始めている論文のシリーズの 3本目を書き上げました. 同じ題の論文にギリシャ数字で通し番号をつけるのは,岡潔の真似のようにも見えますが, 書いている本人にとっては,全体として一つの大きなテーマに関連した研究をしているつもりなので, 通しのタイトルは,必然的に思えているのです. この論文のシリーズには, すでに spin-off が一つあるのですが,今,二本目の spin-off を書き始めていて,その後 IV を書く予定です.

◆ [20.03.10(火19:48(JST))] 現代思想2019年現代思想12月号「特集=巨大数の世界」に 「 巨大基数と巨大な巨大基数、 超数学での無限と集合論的無限、 それらに対する有限の諸相」というちょっと長たらしい題の論説を書きました.実は, この論説は, 私の最近の連続体問題に関連した研究とその背景についての一般向けの解説になっているのですが, そう読みとってくれた方はあまり多くなかったかもしれません.この論説の拡張版は, ここから download できます.

◆ [19.05.14(火10:55(JST))] 私の使っている LaTeX のマクロ集はずっと hyperref と incompatible なものだったのですが,先の連休の一日をほとんど徹夜して, hyperref と compatible なものに書き換えました. マクロ自身の問題と, load している沢山のパッケージの一つとの競合が問題だったのですが, それを見付けだすのに多大な時間を費してしまいました. ネット上の pdf の文書も順次 hyperref 化したものに置き換えてゆく予定です. これは, これらの文書をダウンロードした人へのサービスということもなくもないのですが, 書きかけの文書については,文書内の相互リンクがないと校正/検読がひどくやりにいので, むしろ,自分自身の作業効率向上のため,というのが主なモティヴェーションです. もちろん校正/検読がやりやすくなれば, 読者にとっても (少なくともターミナルやタブレット上では) 読みやすいものになるはずです. なにしろ,私の文書は,ネットで公開しているものも,広くは公開していないものも, work-in-progress 状態のものが多いので,文書内の相互リンクが作れないことが, ひどく執筆の効率を下げていて,何とかしなければ,と数年来ずっと思っていたのです.

ネットに公開している文書のうちでは,とりあえず,すぐ下でも言及した, 『無限のスーパーレッスン』の hyper-critique のファイルを hyperref 化しました. これは,まあ,タイトルも hyper だから,という冗談でもあるのですが. ちなみに,hyperref 化するにあたって,alphanumeric な文字以外の文字記号を, emacs 上で URL coding するやりかたも勉強したので,日本語まじりの URL についても, ちゃんとリンクができています. たとえば,伯母野山日記 では, 記事のラベルに曜日の漢字が含まれているので,これまで,hyperref 化できていた pdf ファイルでは,うまく hyper-link がはれないでいたのですが,今回 update した, 『無限のスーパーレッスン』の hyper-critique のファイルでは, 伯母野山日記 より前, 一時バルセロナにん住んでいたときに書いていた バルセロナ日記に書いたバナッハ=タルスキーの定理に関する記事 (ここでもラベルに曜日の漢字が含まれています) へのリンクもちゃんと辿れるものになっています.

◆ 2019年5月の連休には,研究の方は,それほど進められなかったのですが, 趣味の数学 (?) というか, 少なくとも数学の哲学の議論には関連するはずの考察は少し進めることができました. その一つは,グロタンディエク宇宙 (Grothendieck universe) についての (多分,全部 folklore であるところの) 事実をいくつか整理したことです.

グロタンディエク宇宙は $\kappa$ を到達不能基数 (inaccessible cardinals) とするときの $V_\kappa$ のことだ, と巷で語られることが多いのですが,実は, 「グロタンディエク宇宙は $\kappa$ を inaccessible cardinal とするときの ${\cal H}(\kappa)$ のことだ」というのがより正確な言い方だ,というのが, ここで得られた結論の一つです.もちろん $\kappa$ が inaccessible なら $V_\kappa={\cal H}(\kappa)$ なので, この主張だけを見たときにはナンセンスに思えるかもしれませんが, これに関して書いた このノート の "Hilbert's Paradox and Grothendieck universe" という題の章に書いたことを読むと,私の言わんとしていることが分かると思います.

伯母野山日記数学者の書く数学論が陥ることの多い誤謬に関連したことを書いていみました. この種の議論は 『無限のスーパーレッスン』の hyper-critique でももう散々書いたとも言えるのですが, 一向に改善の余地が見られないので, 当事者が全員これを理解するか地球を去るかするまで, 手をかえ品をかえ説明し続けなければならないのかと思うとちょっと憂鬱な気分になってきます. ただし,この種類の説明を試みることは, 私にとって全く無益かというとそうでもなくて, たとえば今研究を進めている連続体問題に関連した仕事では, その結果自体は全く技術的な数学の結果ではあるのですが, それらの結果の意義の説明のためには(全)数学としての集合論という視点の検証をしなくてはならなくなるので, そのときのための,予備考察,ないしはその検証結果の説明方法の探求のようなものにはなっている, と言えるかもしれません.また,このような考察は今大学院の講義でやっている, 集合論の基礎についての考察とも連動するものです.

◆ 2019年4月から開講される大学院の講義 「数理論理学特論」 では, 「集合論で数学がすべて展開できること」, 「集合論の公理系の様々な拡張についてそれらの (相対性) 無矛盾性の議論の議論がどのようにできるのか, あるいは,不完全性定理の制限からどこから先はできないのか」といった, すごくベーシックだけれど, 多くの数学者が理解していなかったり誤解していたりする点について, 講義をしようと思っています.内容はごくベーシックで, 知能情報工学科で廃止された 「数理論理学」の講義の内容の仮定も含めて講義することになるので, 講義の受講対象者の集合はかなり大きなものになると思います. 講義は,第1 quarter に月曜4限 (15:10-16:40) と水曜3限 (13:20-14:50) に開講の予定で, 興味のある受講者がいる場合には, 自主講義として 第2 quarterに週1で続けようと思っています. 講義は英語で行ないます. 正規の受講対象者でなくても,興味のある方の受講は歓迎します. 非正規に受講を希望される方は, メールで連絡していただければ子細をお知らせします.[19.03.10(日12:57(JST)) に記入] この講義のページは ここ にあります.

◆ 先日ニューヨーク州立大学の CUNY Logic Workshop で講演をしました. このときの スライド を upload しておきます. 講演の後で多少の手直しはしていますが,講演のときに Joel Hamkins からもらったコメントがきっかけとなって得られた結果のいくつかの改良と補正については, このスライドにはまだ反映されていません.Suspension bridge のある街での講演がまた一つ増えたことになります (この話については,ここ を参照してください).

◆ ネットでvanity search をしたら, 昔講義で作ったスライドの古いバージョンがヒットしたのでびっくりしました. これは今はもうアクセスできなくなっているサーバー上のファイルなので, 手直ししたものを, 数学の考え方 --- 2007年秋学期第11回目の講義 として upload しなおしてみました.昨年の英語のサイエンスカフェーでも話した, Königsberg の橋の問題について書いてあります(19.01.15(火00:03(JST))). ついでに,この講義の一つ前の講義のスライド 数学の考え方 --- 2007年秋学期第10回目の講義 もコンパイルしなおしてみました.読みなおしてみると, 初等的な例しか出てこないのに,それを使って論じているのは, ひどく高尚な方法論についてなので, このアンバランスがある意味グロテスクとも言えるかもしれないな,という気もちょっとしました.

なお,これらの講義のスライドを含む,中部大学の時代に作成した教材の一部は, ここにリンクしてあります.

◆ 数学文化,No.29 (2018) に, 『カントルの精神の継承 -— 無限集合の数学/超数学理論としてのカントルの集合論のその後の発展と,その「数学」へのインパクト』 と題する文章を寄稿しました. この文章に多少手を入れたものを upload しておきます.

◆ 昨年と同様に,2018年 4月27日に Hyogo science e-cafe の講演として, 数学科の Wayne Rossman さんUniversality and Applications of Mathematics: a sojourn into graph theory という題で講演をしました.私の講演は 7 bridges に関した話題と, Hadwiger-Nelson 問題に関した話題でした.de Grey の結果がこの4月に発表されたので, この話題は偶然タイムリーなものになってしまいましたが, この話についても触れています. スライドの printer version を upload しておきます.

◆ 2018年 3月18日に東京大学駒場キャンパスで開催の日本数学会年会で, 分科会特別講演として,"Set-theoretic reflection principles" という題の講演を行ないました. この講演のスライドの printer friendly version.

◆ 2017年11月28日に set theoretic multiverse に関して Polish Academy of Learning のシレジア支部開催の講演会で話しました. 一般向けの話だったので,ごく平たい話しかできなかったのですが, このときのスライドはここにあります.

◆ 2017年 4月25日に神戸大学数学科教授の Wayne Rossman さんと,NESCAFÉ Sannomiya で開催予定 (18:30 〜) の英語のサイエンスカフェーで "The beauty in mathematics" という題の講演(×2)+パネルディスカッションをやる予定ですやりました. 僕が話したのは最近 「現代思想」に書いたことの焼きなおしのような感じの話になりそうですでしたが, ごく一般向けの話だったので, 「現代思想」での作文で展開した議論よりはずっと straightforward な話し方になるように努力をしようとは思っていなったと思います. 参加には予約が必要です.詳しくはポスターをご覧ください.

この講演で使った スライドの printer friendly version.

現代思想2017年3月臨時増刊号 総特集=知のトップランナー46人の美しいセオリー に「美は一本の毛で男をひつぱるだろう」という題の作文を寄稿しました. ちょっと不真面目(?) な題の作文にしては, 「数学と美」について真面目に議論する, という大変に危険なことをやってしまったのですが, 紙数の制限の中では,それなりに言うべきことが書けたのではないかと思っています. ついでに言うと, 作文の題は,アレクサンダー・ポープ (1688 -- 1744) の有名な詩の中の一行に因みます. なぜこれをタイトルにしたのかは,作文のパンチラインと関連するので,秘密です. 御自分で読んで確かめてみてください.この論考に若干の拡張補足をしたものをここに置いておきます.

◆ 2017年 1月16日から 1月19日に筑波大学で強制法の集中講義を行ないます行ないました. 講義の期間の前に: 今年は,前提知識の復習をした後に iteration と class forcing について話そうと思っています.多分もぐりの受講は可能と思います. 集中講義の世話役(?)の筑波大学数理物質系塩谷真弘先生か私に連絡してください. という announcement を出したところ, 哲学を研究している方が熱心に聞いてくださいました.内容は結局 class forcing の話はせずに, Martin's axiom のモデルの構成と, PFA のモデルの構成のアイデアの説明をして終りました. この講義の内容は今書いている強制法の教科書に反映される予定です.

現代思想2016年10月臨時増刊号 総特集=未解決問題集【シリーズ現代思想の数学者たち】 に 「集合論(=数学)の未解決問題」という題の論考を寄稿しました. 「集合論は (旧来の) 数学とは関係ない」というような発言を聞くことが稀でないのですが, そのようなスタンスが正しいとは言えないことを, ゲーデルの加速定理との関連で論じています.この論説の原稿に手を加えたものを 集合論 (=数学) の未解決問題 にリンクしておきます.

◆ 2016年11月29日に数理解析研究所で開催された集合論のワークショップで "Reflection theorems on non-existence of orthonormal bases of pre-Hilbert spaces" という題の講演をしました. この講演の内容は CRM での講演とほとんど同じですがスライドが若干改良されています.

◆ 2016年11月17日に CRM がバルセロナ大学で開催した国際ワークショップ "Applications of strong logics in other areas of mathematic", で "set-theoretic aspects of pre-Hilbert spaces without orthonormal basis" という題の講演をしました. キャンセルされた講演があったために予定より一日前に講演をしなくてはならなくて, スライドの準備がぎりぎりになってしまったのですが,今回も cover/uncover を全く使わない方式のスライドで講演してみました.

◆ 2016年10月21日にバルセロナ集合論セミナーで "Shelah’s Singular Compactness Theorem and its variants" という題の講演をしました. この講演では,Beamer の cover/uncover を全く使わない,というやり方の スライド を用意してみました.そのかわり, 定義にリンクで飛ぶようにしているところがいくつかあります.

◆ 2016年 9月 2日に,神戸大学システム情報学研究科で毎年開講されている 「情報基礎特論」という博士課程後期のためのオムニバス講義の一コマとして,ゲーデルの Speedup Theorem に関する講義を行ないました (受講者の便のため英語で講義しました: 工学部 C2-302 教室 15:10〜16:10 ).この日には,私の講義の他にも,菊池誠さん (C2-302 10:40〜12:10) と酒井拓史さん (C2-302 17:00〜18:30) も数理論理学関連のテーマの講義がありました. この Speedup Theorem は「現代思想」に掲載の論説でそれからの帰結を論じたものです. 講義のスライドの printer friendly verseion を upload しておきます. 現在証明などの省略されたスライドになっていますが,余裕ができれば後で証明を書き加えるつもりです. 証明をリクエストしてくれる方がいれば余裕を作って書く可能性が上がると思います. 興味があって (self-contained な) 証明をぜひ見たいという方がいればぜひ連絡してください.

◆ 2016年 8月19日から22日に開催された 「2016年数理の翼 大川セミナー」 に講師として参加して, “「ほとんどすべて」は《ほとんどすべて》か?”という題の講義をしました. meager sets と nullsets のイデアルについての入門の講義です. 受講者は高校生ですが,予備知識を高校生に分るものに限ったことを除くと, 普通の数学の講義と言えるものを意識的に行ないました.ただし,高校生向けの対応として, self-contained になっていることの度合は大変に高いものになっていると思います. この講義のスライドの printer-friendly version を upload しておきます. 講義ではこのスライド以外に数列の極限の定義とカントル集合の定義と基本性質を白板で説明しました.

講義の後に受けた質問で,記号 ``$\subseteq$'' が分らないというものがありました, これは ``$\subseteqq$'' や ``$\subset$'' と同じ意味です. ``$\subset$'' は真の包含関係の意味で使われることもあるので, 僕自身は, 混乱をさけるため,絶対に使わないことにしています. 高校の数学用語では,``単項式''と ``多項式''という区別するのに, 真の包含関係とイコールを含む包含関係の区別を気にしないのでしょうか.

後で,今の高校生は日本語の手書きの略字についても同じように分らないのだろうか, という素朴な疑問がわいてきました. これは大川セミナーにいるうちに本人たちに聞いておくべきだったと残念に思っています. ヨーロッパやアメリカの人の手書きのアルファベットを読めない, というのは高校生に限らず日本人全般に言える,ということは既に知っているのですが.

◆ 数学セミナー 2016年6月号に, 今年の初めに行ったポーランドとチェコの旅行記を掲載しました. この旅行記では,ポーランドとチェコの数学事情についても書くように依頼されたので, それに答えようとして大変苦労しました. 結局与えられた紙数では書ききれなかった部分が出てきたので, この作文の拡張版をネットに置くことにしました: 『冬の旅 --- ポーランドとチェコへの数学の旅

『数理論理学特論』(システム情報学研究科 修士1年のための第1クオーターの講義, 月曜 15:10〜16:40 水曜日 13:20〜14:50) は 6月1日の講義で終了しました. この講義では集合論の初歩の話をしましたが, 6月6日から,この講義の続きを自主講義として,月曜の 15:10〜15:40 に行なう予定でいます. 6月1日までの講義で,ノイマン階層を用いる簡単な無矛盾性証明/独立性証明 (ZFC のある公理が他の公理上無矛盾,ZFC のある公理が他の公理からは証明不可能, 巨大基数公理が ZFC から証明できないこと,などの証明) の概略を話ましたが, 続きの講義では, この簡単な無矛盾性証明/独立性証明の細部を埋めるために必要となる道具を導入した後, 強制法の理論に進む予定です.途中からの受講も歓迎します.

◆ 4月からの2016年度第1クオーター/春学期には, 『数理論理学』 (情報知能工学科 学部3年のための春学期の講義,水曜 10:40〜12:10), 『数理論理学特論』(システム情報学研究科 修士1年のための第1クオーターの講義, 月曜 15:10〜16:40 水曜日 13:20〜14:50) の講義を行ないます.

『数理論理学』はスタンダードな数理論理学の入門の講義ですが, 工学部情報知能工学科の新カリキュラム施行後, 必修の課目からなくなってしまう予定の講義です. 理論計算機科学の勉強には必須の講義ですが, この学科の学生にはちょっと敷居が高すぎるのかもしれません.

『数理論理学特論』では集合論の forcing や内部モデルの理論の理解のための基礎になる部分について細説する予定です. 今 forcing の入門書を書いているので, この本の第I部の執筆と並行して講義をする予定です.したがって, 本のドラフトが講義録になる予定.

両方の講義とも, 日本の大学や大学院の正規のカリキュラムで開講されることの少ない内容ではあると思うので, 事前に連絡をしていただければ,「もぐり」の受講を個人的に許可する場合があります.

数理論理学特論の講義の第1回目は,4月11日(月) 15:10〜 に工学部講義棟の LR404 で行ないます. 数理論理学の講義の第1回目は4月13日(水) 10:40〜 に工学部講義棟の LR201 で行ないます.

◆ 2016年 3月 2日に愛媛大学数学科の トポロジー, 幾何と集合論のセミナー (松山TGSAセミナー) で,reflection numbers に関する講演を行ないました. 講演の スライド は, 2月にチェコの Hejnice で行なわれた Winter School での講演のスライドに手を入れたものでした.

◆ 2016年 1月16日に京コンピュータの隣にある神戸大学統合研究拠点のラウンジで開催された, 5th Hyogo Science E-cafe で ``Mathematics Seen from Anecdotes'' という題で一般講演を行ないました. スライドの printer friendly version.

◆ 2015年10月19日からの週に東京大学数理科学研究科で強制法に関する集中講義をしますしました. できるだけ self-contained な講義にするつもりではありますがよう試みましたが, 時間の制約もあり, ある程度の予備知識は仮定する必要がありそうです仮定しました. この講義の シラバス には参考文献へのリンクをつけてあるので,ります. 講義を聞きにくる予定の人は目を通しておいてもらえればと思っています.

◆ 2015年 9月23日 (in UTC-4) に North Carolina State University の数学科で, “Set-theoretic results in mathematics”と題した一般講演を行ないました. この講演のスライド (スライドの printer friendly version) はもうすこし拡張して,読みものとして完結したものにしようと思っています.

◆ 2015年 9月18日に RIMS (京都大学数理解析研究所) で開催された集合論ワークショップで,“On the superuniverse of set-theoretic multiverses”という題の講演を行ないました (この講演のスライドの printer friendly version).技術的な内容は trivial ですが,ここで表明されている「弱い集合論の内部モデルとして set-theoretic multiverse を捉える」というアイデア自身は更に検証してみる価値があるのではないかと思っています.

◆ 2015年 9月 7日からの週に東工大で開かれた国際学会 CTFM2015 での田中一之さんの還暦記念ミニコンサートで東工大の Bechsteinを弾きました.Bechstein 社は National Socialism 時代のドイツで NS 政権に擦り寄ったことで戦後多くのピアニストにボイコットされたという歴史があるようなのですが, この楽器は, それが起るより前の Bechstein 社がスウィートな音色の楽器を作っていたころのピアノです. ( このコンサートのために書いたプログラムノート ) このコンサートはちょうど台風が日本を通過したときで, 豪雨のため会場の湿気が異様に高くなってしまい, 鍵盤がぬれて指がすべり, 乾いてきたら指にまつわりついて,このため, ちょっと冷静さを欠いた演奏になってしまいました. ただし,この状況にもかかわらず楽器のメカニックは不具合が出ず, レペティションにも決定的な悪影響は出なかったのは不幸中の幸でした. 同様のプログラム (今 Schoenberg の op.25 の練習を始めたのでこれも入れたいと思っています) で, もうちょっと納得のできる演奏ができる機会を近いうちに作りたいと思っています.

それから今回のコンサートでは,始めて piaScore を本番の演奏で使いました. 練習には日常使っているのですが,譜めくりなど,本番の使用に堪えるものかどうか, 一末の不安がありました.幸,本番では,めくり間違い (指で swipe する方法での譜めくりです) は一度もなく済みました.

この学会では 招待講演 ( 講演のスライドの printer friendly version ) もしました.こちらの方はちょっとはったりも含んだ内容で, Simpson 先生など,reverse mathematics の専門家からおしかりを受けるのではないかと危惧していたのですが, 幸,Simpson 先生を含め,外国からの参加者からは positive な反応がもらえました. Sy Friedman が,この講演の前の日に一緒に dinner に行ったときに,僕のこの講演での考え方とは反対の発言をしていたのに, 講演の後で,僕に賛同してくれたのは,ちょっと意外だったし,嬉しい気もしました.

◆ 2015年 8月21日に今年も神戸大学で開催された数学基礎論サマースクール (主催: 菊池さん) で, 「集合論的多元宇宙と様相論理」という題の講演をしました.この講演のスライドの プリンター・バージョン をアップロードしておきます. 講演の中で初心者が意味をとりそこなう可能性のある問題を出して (meta mathematics での ZFC と ZFC の中での (無限集合としての) ZFC の違い),正解を言った人はお茶をおごってあげる, と宣言したのですが,その後に予定されていた,Leiderman さんの講演に向わなくてはいけなくて, 対応をしそこなってしまいました.正解を言ってくれた人, 名乗り出てくれれば本当にお茶をおごります.

◆ l2015年 8月6日 17:00 〜 18:30 に「線形代数学2」 という講義の補講をやることになっています. 台風で講義を休講にしなくてはいけなかったため, 書類上,補講を入れなくてはいけなくなったからなのですが, このクラスは再履修の学生のためのものなので,大半の受講者のモティヴェーションを考えると, 当日講義に誰も来ない可能性もあります. 講義の内容としては一回読みきりで, 線型代数のアイデアが (現代の数学の) どのようなところで用いられるのか, また,どのような (工学系の人たちの言うような意味での) 応用があるのか, というようなことについての話をスライドを用いてやってみたいと思っています.

エクストラの講義なので,こういう講義をするとすると,かなり準備が必要なのですが, 似たような補講で, 準備に時間をかけたのに誰も来なかったという気分の悪い経験を何度もしているので, その状況をさけるために受講者でなくても, 興味のある人で時間の都合のつく人には誰でも聞いてもらいたいと思っています. 学外の人も歓迎します.

ただし,学部の線型代数の講義の付録ということで, それほど専門的な話はしできないので,退屈に思われる方もあるかもしれません. たとえば general topology の知識や代数学の基礎知識 (群や体など) も仮定せずに必要ならそこから始めて話します.

● この講義は,
日時: 8月6日(木) 17:00 〜 18:30 に
場所: 神戸大学 鶴甲第2キャンパス (私のオフィスのあるキャンパスに隣接した
     全学教育を行っている教室のあるキャンパスです)
   K302 教室
で行ないます.

◆ 4月からの2015年度春学期には, 『数理論理学』 (情報知能工学科 学部3年のための講義,水曜 10:40〜12:10), 『数理論理学特論』(システム情報学研究科 修士1年のための講義 月曜 15:10〜16:40) の講義を行ないます.

『数理論理学』はスタンダードな数理論理学の入門の講義ですが, 来年度から,カリキュラムが変更されて, 「だれでも分る」ような講義だけになってしまうため, この回がこの種類の講義を神戸大学で行なう最後となる予定です.

『数理論理学特論』では, 強制法 (forcing) の理論の導入を目標とした集合論入門の講義を行ないます. 2015年10月19日からの週には東京大学で強制法に関する集中講義を行なう予定ですが, この講義で予備知識として必要とする事柄のコンパクトな導入を 『数理論理学特論』の lecture note として講義と平行して作成しようと思っています. なお『数理論理学』の内容に関連する講義に関しては, 集中講義の打診を受けたりもしているので,これが全く最後ということでもなく, いずれどこかでは講義できると思っています.

両方の講義とも, 日本の大学や大学院の正規のカリキュラムで開講されることの少ない内容ではあると思うので, 事前に連絡をしていただければ,「もぐり」の受講を個人的に許可する場合があります.

数理論理学特論の講義の第1回目は,4月13日(月) 15:10〜 に工学部講義棟の LR302 で行ないます. 数理論理学の講義の第1回目は4月15日(水) 10:40〜 に工学部講義棟の LR201 で行ないます.

◆ 木村俊一著 『無限のスーパーレッスン』講談社 (2007) を精読しています. どうやったらこの本に書いてはるような, 壮大な誤解に至 (ってさらにそれを出版までしてしまう) ことができるのかを分析してみたいと思って始めたのですが, これは,ちょっとのめり込みすぎてまったきらいもあります. これまでの分析とその解説を含めたものを ここ にリンクしておきます. まだ半分くらいしか書きあげてなくて, 最終版は40ページを越えるものになると思います (15.02.23(月03:29(CET)) の時点では40ページを越えていますが, 関連の話題を更にいくつか盛り込むことを考えだしたため, 最終版は60ページを越えることになりそうです). いずれにしても近いうちに直接ご本人にお話を伺えればと思っています.

◆ 10月11日から2週間ほどポーランドに出張して, Katowice で主に大学院生のための集中講演をして,Katowice と Wroclaw でセミナー講演を行いました. これらの講演では,以前に書いた解説論文やスライドを再利用したのですが, 今回の講義のために,それぞれの論文やスライドを大幅に訂正/アップデートしました. それらをここにリンクしておくことにします:
Fodor-type Reflection Principle and Balogh's reflection theorems (京都大学数理解析研究所講究録 No.1686, (April, 2010), 41--58. の拡張版)
Katowice で行ったセミナー講演のスライドのプリンター版 (ウィーンで 2012年の6月に行った講演のスイライドの改良版)
Wroclaw で行ったセミナー講演のスライドのプリンター版 (2014年春の数学会で行った講演のスライドの改良版)

◆ 『数理科学』 2014年10月号に, 《フィールズ賞で語る現代数学》というシリーズの第2回目の記事として, 「“コーエンの強制法”と強制法」という題の小文を掲載してもらいました. この記事の拡張版 (紙数の関連で省いた細部を再録して補筆たもの) を ここ に置いておきます. 出版元のサイエンス社とは,これに関してリジッドな契約をむすんでいるわけではないのですが, 一応,雑誌に出た記事なので, この雑誌を購入した読者だけに分るパスワードを設定しておくことにします: パスワードは, 『数理科学』 2014年10月号 83ページの右コラムの最初の行に現れる, 15個の数字を順にならべたものです.

◆ Katowice のシレジア大学 (シロンスク大学) の数学科で集中講演をしました: 講演のアブストラクト.

◆ 広島で開かれた日本数学会の秋季総合分科会で2つ講演をしました. そのうちの1つで, 菊池誠さんとの共同研究の不完全性定理に関連するもの (数学というより哲学に近い内容のものと言えます) のスライドのプリンター版を ここ に置いておくことにします.

数学基礎論サマースクール: 2014年 は神戸で 2014年9月16日〜9月19日の期間に開催されました. 私はこのサマースクールでは開催者兼講師の1人だったのですが, 私の iterated forcing の入門講義のスライドのプリンター版は ここ に upload されています. サマースクールで使ったスライドでは証明などはほとんど書いてなくて黒板で説明したのですが, このファイルでは証明についても,まだ完全ではないにしても,かなり補ってあります. 今,集合論の初歩から初めて, forcing の基本的な部分にまで最速で進めるような教科書の執筆にとりかかっているところなのですが, このスライドもこの本の準備をかねたものです.

◆ 大学院のオムニバス講義「情報基礎特論」での1回読みきりの講義で, Büchi の定理に関連する講義をしました. コンピュータがうまく接続できなくて板書で講義したのですが, 用意したスライズのプリンター版をここ にリンクしておきます.

◆ 日本数学会 数学基礎論および歴史分科会の補助を受けて毎夏開催されている 数学基礎論サマースクール: 2014年 のテーマは 集合論 (特に強制法理論) です. このサマースクールを神戸で 2014年9月16日〜9月19日の期間に開催します.

◆ 2014年前期の博士課程前期の講義 「数理論理学特論」(月曜4限) で現代集合論の基本手法の1つである強制法の入門の講義を行ないます. 9月に行なわれるサマークール で予定している私の講義の導入になるような内容を予定しています. この講義の例年の受講者数はそれほど多くないので, inofficial に参加したい人を受け入れる余裕もあると思います. 興味のある方は連絡をください. 講義の子細は 神戸大学での講義のページの関連項目 をごらんください.

◆ 2014年 6月 6日に京都工芸繊維大学松ヶ崎キャンパスで開かれた第49回位相空間論シンポジウムで, ``On almost continuity of Baire functions'' という題で講演を行ないました. 講演のスライドを拡張したものを準備中です.

◆ 2014年 9月の第3週に神戸で集合論をテーマとした数学基礎論サマスクールを開催予定です. 詳しい情報は後日アナウンスします.

◆ 2014年 3月16日に学習院大学で開催された日本数学会年会の数学基礎論分科会で Rado's conjecture and reflection principles compatible with MM という題の講演を行ないました.

◆ 2014年 1月 8日(水) に東京大学の河東さんが開催している 作用素環セミナー で Dow's metrization theorem and beyond というタイトルの講演をしました. web 上では日本語で講演をするというアナウンスメントが出ていたのですが, 風邪気味で,板書を英語にして,日本語で話すということをするための集中力が出なかったので, 講演も英語やらせてもらいました. 講演に来られなかった人で講演の内容を知りたいという人もいたようなので, この話とパリでやった話を一般向けにアレンジしたテキストを ここ にupload する予定です.

◆ 2013年12月25日(水) の神戸大学での Logic Colloquium でと,その翌日12月26日の集合論セミナーの informal な session で,Woodin の第2不完全性定理の証明について話しました. 我々のグループの菊池さんの terminology では,自分の inconsistency を主張する論理式が成り立つようなモデルを insane と呼ぶようなのですが, この用語に習うと,集合論のすべてのモデルは自分自身 insane であるか,そうでないとしても必ず insane な核を自分自身の中に持っている, ということを主張する命題を経由して第2不完全性定理を証明することになります. このセミナーの レクチャーノト を upload しておきます.

◆ 2013年12月 2日 (月) に,パリ第7大学のロジックセミナー (Séminaire général de logique) で Rado's conjecture and stationary reflection principles という題で講演をしました. 題からも分るように講演はフランス語ではなく英語でしました.僕は, 高校でも大学でもフランス語が第二外国語だったので, その場に行けば結構スマートにフランス語もあやつれるのでは,と期待したのですが,今回のパリ滞在は, 僕のフランス語が平均的な日本人の英語よりはましなことは証明できたにしても, それ以上でないこともつきつけられてしまいました. もう少しなんとかしたいものだと思っています.とりあえずの目標としては, 次にフランスに行くときにはなんとかフランス語で講演をしたいと思っています (今回の講演でも次に来るときには絶対にフランス語で講演する, と宣言しました). 今回のパリ滞在記のような内容の記事は 伯母野山日記 にもいくつか書きました.

この講演で,講演をきいてくれた人の1人だった Todor Tsankov 氏の質問にその場できちんと答えられなかったので, その答を含む ノート を upload しました.

◆ 2013年 9月 9日 (月) から 9月12日(木) に京都大学数理解析研究所で, 集合論の研究集会を開催しますました.今年は, 私が研究代表者を仰せつかっています務めました. 集会の web page をご覧ください.

◆ 「現代思想」2013年8月増刊号に, 「フォン・ノイマンと公理的集合論」という論説を発表しました.この論説の原稿の拡張版

◆ 2012年 12月13日に神戸大学で開かれた General Topology Symposium 2012 で "Reflection Theorems in Topology" という題の講演をしました. この講演でのスライドスライドのプリンターバージョン

◆ 2012年 9月26日に RIMS 研究集会 「一般位相幾何学および幾何学的トポロジーの現状と諸問題」で "On Reflection Theorems of Paracompactness" という題の講演をしました.講演の後,講演を聞いてくれた 薄葉季路氏から, 講演で未解決問題と言っていた問題のいくつかが実は我々の知っている方法で解けていることを教えられました. 多分昔に考えたのを忘れていたのだと思います. ここにリンクする スライドスライドのプリンターバージョン では, この点についてのとりあえずの訂正はしてあります.

◆ 2012年 7月11日に DIS11 (旧CS32) の情報知能工学科1年生で数学に関心のある学生への研究室紹介を行ないました. このときの プレゼンテーション では,模擬授業 (セミナー) として, Vitali の定理と Wallace-Bolyai-Gerwien の定理の証明について話しています.

◆ 2012年 6月22日に Kurt Gödel Research Center で開催された mini-workshop in set theory で,"Reflection number of Rado Conjecture and Fodor-type reflection" というタイトルの講演をしました.

◆ 2012年前期は, 全学向けの英語での講義の Linear Algebra I を担当しています.現在のところ講義の学生数は非常に小さいので, 受講生にとっては細かな指導の期待できる講義になっていると言えます. この他には情報知能工学科の 数理論理学 とシステム情報学研究科の数理論理学特論 の講義を持っています. これらは,それぞれ,完全性定理と不完全性定理についての講義です.

◆ 2012年 1月23日から28日にかけて FWF/JSPS 共催の二国間セミナー Forcing in Set Theory を開催しました.この会議の 講演のアブストラクトやスライド 写真 など.

◆ 2011年12月19日に New Zealand の Wellington で開催された Twelfth Asian Logic Conference で ``On reflection of list chromatic number'' という題で招待講演をしました.このときの スライド とスライドの printer version

◆ 2011年12月に発売予定の数学セミナー 2012年1月号に 「不完全性定理以降の数学」 という題の記事を掲載 予定です しました. 紙数の関係で,この記事に書ききれなかった内容をネット上に公開します: 不完全性定理以降の数学 (続). ただし,現在このテキストはまだ書きかけです. コメントなどあればぜひお知らせください.

◆ 2011年後期開講の「構造の数理」 (木曜 8:50--10:20) で,グラフ理論についての講義を行ないます. グラフ理論の普通の講義とは異なり,この講義では, 有限グラフだけでなく,無限グラフ, また有限グラフと無限グラフの関係にも重点をおいた内容にする予定です.

全学部共通の講義なので,予備知識はできるだけ何も仮定しない totally self-contained な内容にすることを試みますし, 話の進め方も初心者がついてこられるようなものになるような工夫を最大限するつもりです. しかし,それ以外の妥協はせず,本格的な講義にしようと思っています.

通常,この講義枠では講義に実際に出てくる学生の数はそれほど多くならないので, 正規の受講者以外で,講義を (積極的に) 聴きたい人がいれば,歓迎します. その場合には,あらかじめ,私に email で連絡をください.

この講義のスライド,講義録などは, ここ をご覧ください.

◆ 2011年9月8日(木) にバルセロナ大学で開催された Advanced Course and Workshop on Large-Cardinal Methods in Homotopy で ``Reflection of some properties of uncountable structures'' という題で講演をしました.

この講演の スライド とスライドの printer version をリンクします.講演は一時間の枠にぴったりおさめることができたのですが, スライドには,講演では省略したいくつかの details も含まれています.

◆ 2011年8月25日(木) に京都大学数理解析研究所で開催されていた研究集会 「数学史の研究」で, “Is naive set theory really so naïve” という題で講演をしました. この講演の スライド とスライドの プリンタ版. スライドのプリンタ版には講演にはなかった1ページ (beamer の用語ではフレーム) を付け加えてあります. 講演でぜひ言うべきだった一言に後から気付いてそれを書き足したからですが, この顛末については 伯母野山日記に書いた文章 もご覧ください.

◆ 2011年7月20日(水) 17:00〜18:00 に大阪府立大学の 情報数理談話会 で 「平面単位距離グラフの彩色について」という題の一般講演を 行ないます しました. 講演のスライドは背景をポスターに合せてみました.この スライド と,スライドの プリンター用バージョン をリンクしておきます.なお, この講演の顛末については, 伯母野山日記に書いた文章 もご覧ください.

◆ 7月9日(土)に サイエンスカフェひょうご で 「難しい音楽と分らない数学」と題した講演会を作曲家の 小櫻秀樹 さんと行ないます ました. トークに小櫻さんの作品の (録音の)演奏をはさむ,という形式になる予定ですのものでした. 会場は,元町のジャズ喫茶のようなところですでした. 詳しくは, ポスター をごらんください. トークのために準備した話題は時間の関係で全部は議論できなかったのですが, 当日取り上げなかったテーマも含めたトークの スライド の printer version をリンクしておきます.

◆ 6月30日に神戸大学総合研究拠点設置記念・システム情報学研究科1周年記念の合同シンポジウムが, 神戸ポートピアホテルで開催されました.このシンポジウムでは,ウイーン大学の Sy Friedman 先生に Mathematical Logic and Its Role in Mathematics and Computer Science という題で招待講演をしていただきました. この シンポジウムのチラシ :

Friedman 先生の講演に先立って,私の所属する 情報科学専攻 の紹介の講演をしました. このスライドの プリンター用バージョン をリンクしておきます.
 私がこの講演をすることになったのは,そうすると Friedman 先生の紹介も一緒できるので時間の節約をはかれる, というような事情のためだったのですが,専攻の良いプレゼンテーションをしなくてはいけない, という責任のため大変緊張しました.
 なお, スライドの後半で, 専攻で研究活動が活発に行なわれていることを示すための例をあげているところがありますが, ここであげているのは,あくまでも, このような講演で例としてあげやすい事例ということにすぎません. 私がこのような種類の事柄だけを研究成果とみなしている, というわけでは全くありませんので誤解のないように.

◆ 研究科と学部のオムニバス講義中のコマをたて続けに2つやりました. 両方とも,集合論や logic group の紹介が主な内容でした.特に学部の講義は, 卒論生のリクルートという意味合いもあるのでしょうが, 僕のところでは,ついてゆけない人が入ってきたときの惨状をさけなくてはならず (なまじ教育もちゃんとやろうとしているので, 最悪の場合には「犬に言葉を教える」ような虐待になってしまう可能性が大です), 「中途半端な興味や才能しか持ちあわせのない人は来ないでね」 というメッセージを伝えたつもりだったのですが, どうもそういう内容がうまく伝わらなかったのではないかと危惧しています. いずれにしても,そのときに使ったスライドの印刷用バージョンをリンクしておきます (ただし上の「… 来ないでね」云々はスライドには書いてありません): 数理論理学概論 (「情報基礎特論」の中の講義.) 数理論理学 --- その研究の前線と計算機科学との関係 (「情報知能工学総論及び安全工学」の中の講義)

◆ 2011年度前期に神戸大学システム情報学研究科の正規の科目として 「数理論理学特論」という題の講義を行なっています(月曜の4時限目: 工学部 C2-301 講義室 --- ただし, 4月18日からは自然科学総合研究棟3号館4階 渕野グループ内 プレゼンテーション室で行なっています) . 講義内容は,決定可能な理論と,不完全性定理についてで Enderton の A Mathematical Introduction to Logic の第3章を下敷に行なう予定です. 4月11日の初回と4月18日に予定している2回目は述語論理の復習で, ここでの内容は, 学部向けの「数理論理学」の lecture note でカヴァーできます. この講義は default で神戸大学の数学科の大学院生も受講できるようになっているようです. また,現在のところ受講生の数はそれほど多くないので, 正規でない受講者を受け入れる余裕も十分にあります. 興味のある方は連絡してください.

◆ 2011年01月13日に Oberwolfach 数学研究所 で開かれた集合論の研究集会で発表しました. 欲張って少し内容をつめこみすぎた結果,あまりうまく presentation ができなかったみたいです.このときの スライド とスライドの printer friendly version をいちおう post しておきます.

◆ 2010年12月20日に, 筑波大学で開かれた General Topology シンポジウム で,``Set theoretic aspects of topological reflection theorems'' という題の講演をしました. この講演は, 数学会や RIMS での講演と内容的には重複するところも多かったのですが, スライドは,11月の若手の会での講演や,今学期に講義している 「構造の数理」のスライドで工夫したプレゼンテーション用のトリックも, 取り入れたものになっています.それで一応 スライド とこのスライドの printer friendly version もリンクしておくことにします.

◆ 2010年11月22日に, 岡崎市美合町にある愛知青年の家で開催された数学基礎論若手の会で, "Mystery Train" と題した講演をしました.タイトルは意図的な mystification だったのですが,こんなタイトルをつけた講演だったのに Jim Jarmusch の話もしなかったし, 「同時性」の物理学的,哲学的考察についても全く触れなかった, という意味で,きわめておとなしい講演だったと言えます.この講演の スライド と,スライドの printer friendly version をリンクしておきます. この講演の話を含み,さらに先の話題も盛り込んだテキストを ここ にリンクする予定です しました.

◆ 2010年10月27日に RIMS 研究集会 「大きな無限と小さな無限の相互関係」で主に Assaf Rinot 氏と共著の論文の結果について話しました.このときの スライド と,スライドの printer friendly version

◆ 前に予告した(自主)講義の講義時間を次のように確定しました.

月曜の 4時限目(15:10 -- 16:??)に集合論(forcing の入門)の講義
火曜の 4時限目(14:30 -- 16:40)に cardinal arithmetic の講義

を行ないます.両方とも部屋の利用予約がなければ, 神戸大学自然科学総合研究棟3号館4階 渕野グループ内 421室 (プレゼンテーション室)で行います. 研究集会などで,この部屋に先約がある日には, 隣の計算機室の中にあるゼミ室の1つで行なうことにします.

あらかじめ参加を表明してくれた人たちとの打合せを10月6日に行ないましたが, それを除くと, 月曜の講義の第1回は10月18日,火曜の講義の第1回は10月12日に行ないます. これらの講義についての追加情報は 神戸大学での講義科目のページ に掲載してゆく予定です.

◆ 2010年9月27日に,Mexico の Colima で開催された V International Conference Japan-Mexico on Topology and its Applications という国際学会で講演をしました. 講演で述べた結果は名大での講演でとほぼ同じだったのですが, こちらは集合論と集合論的トポロジーのセクションでの講演だったため, 多少踏み込んだ内容のものになっています.一応このときの スライド と,このスライドの printer friendly version も upload しておきます.

◆ 2010年9月24日に,名古屋大学で開催の2010年日本数学会秋季総合分科会のトポロジー分科会で, 講演をしました.この講演のスライド と,スライドの printer friendly version を upload しておきます.

◆ 2010年8月24日に京都大学数理解析研究所で開催された研究集会 「数学史の研究」で "Kroneker, Dedekind, Hilbert on the Foundation of Arithmetic" に関する講演を行ないました. この講演の スライド とスライドの printer friendly version. 今回の講演では時間不足で準備した話題の一部しか話せなかったのですが, この講演の内容を整理したものの日本語版をこの会議の講究録に投稿予定で, さらにもう少し練ったもの(英語版)をどこかに投稿する予定です.また, これらの論考の popular version (?) は,現在準備中のデデキントの 「数とは何か,また何であるべきか」の翻訳の解説にも収録されるはずです.

講義の予告 2010年度後期に, 正規の講義予定には含まれていない次の2つの(自主?)講義を予定しています:

(a) Introduction to forcing (木曜午後)
(b) Introduction to pcf theory (火曜午後)

両方の講義とも,Kobe Logic Group に所属する学生のための講義ですが, 正規の講義ではないので基本的には誰でも(正規に)受講できます. 受講を希望する方は,事前に連絡をください.

(a) は forcing の基礎づけと independence proofs との関係などにウエイトを置いた講義する予定で, 数論的 forcing や Pmax 理論などで用いられる ZF 上の forcing などにも触れる予定です.(b) は 2010年前期の講義で black boxes として使った pcf 理論の基本定理とそれを用いて証明される事実などのギャップを埋めることが目標です. ただし,講義としては self-contained なものにする予定で,2010年前期の講義の内容は仮定しません. こちらの講義の方は各週くらいにして, 休みの回は上級のセミナーのようなものとして流用することも考えています.

数年前に ゲーデルと20世紀の論理学 第4巻 の第一部として書いた 構成的集合と公理的集合論入門 の前半が両方の講義の予備知識の superset になっていると思います. (a) については, 2007年の数学基礎論サマースクールで強制法の基礎について講義したときの 資料 にリンクしてある講義録を出発点にして講義の準備をする予定です.

これらの講義は,参加してくれる学生のため, ということもあるのですが,(a) については, 執筆を計画している集合論の教科書のたたき台のようなものを作成するため, (b) については,Shelah's Strong Hypothesis に関する expository article の執筆の下準備という意味もあって, ちゃんと ``もとをとる'' つもりでもあります.

◆ 2010年度前期に講義をした線型代数Iの期末試験で, 線型独立性の特徴付けの間の同値性を証明させる問題を出したのですが, 70人近い受講者の全員がこの問題に答えられませんでした. しかも,単に正しく答えられなかっただけではなく,半数以上の学生の答案には, マイナス点をつけざるを得ない insane な「証明」が書かれていたのです. 過半数の学生がこの問題に対応できないことは予想していましたが, この同値性は講義でも丁寧に説明していたものだったこともあり (下の記事でも触れた ノート (補題2.1) にもこの同値性証明を意識して詳しく書いてあります. ただし,このノートでは線型独立性の定義とその同値命題を逆に扱っています), 何人かはクリーンな証明を書いてくれるだろうと期待していたので, これには大変ショックを受けてしまいました.

気持が悪くなるのをがまんして,学生の``狂った''証明を分析してみると, そもそも考えることを拒否してでたらめを書いている, あるいは「証明」が何か判っていないため,でたらめを書いてみている, ということもあるようですが, そうでない場合には,quantification が全く扱えない, というのが,このような基本的な問題が解けないことの大きな原因の一つのようです.

日本語が quantification を文法レベルで扱えるようにできていない言語だ, ということは言えると思うので(そもそも ``quantification'' の日本語の訳語自体 「量化」などという苦しまぎれの学術用語しか存在しません), そのハンディーキャップはあるのかもしれませんが, 相手は中学生ではくて大学生なので, これが単に (1)思考の訓練の欠如によるもの, だと言ってしまうのは無理があるような気もします. しかしそれが思考の訓練の如何によらないものだとすると, 本質的な思考能力の欠陥によるものでしかなくて,そうだとすると, それは (2)先天的なもの, なのか,それとも, (3)後天的なもの,なのか. しかもこれが70人弱のクラス全体でおきているわけですから, なにか近畿周辺の環境(物質?)による障害のようなものと関連していると考えるべきなのか. (1) の場合には, こちらとしては,数学以前のことがらについても, かんでふくむような教え方をするように心掛けるしかないわけですが,(2) の場合には, 本質的なことを教えようなどとは思わずに,教えたふりをして動物の調教師の仕事に甘んじる,というのが (私にとっても教わる学生の方にとっても)正しい態度なのかもしれません. 悩むところです.

◆ 今学期(2010年度前期)受け持った講義の一つは線型代数Iでしたが,この講義では, Rn の部分空間についての基底や次元の議論が講義の範囲に入っていました. 実は,RnCn などの部分空間に限定した理論では, 基底の存在を保証するためには選択公理は一切必要ありません. しかし,使った 教科書 には,そのことははっきりと書かれていなくて, しかも基底に関して(厳密に言うと)ギャップのある議論が展開されていたので, 講義では,この点をきちんと扱かう工夫をしました. 講義のときに話した内容を整理/拡張したものを 初等数学ノート に書きだしてみました. 講義では 教科書 の記法にできるだけ沿った書き方で説明したが, ここではもう少し使いやすい用語や記法を採用しています.

◆ 2010年7月23日に 東北大学ロジックセミナー で Topological characterization of Shelah's Strong Hypothesis (SSH)     and Fodor-type Reflection Principle (FRP) という題の講演をしました. 当初は 7月7日の講演のスライド を再利用するつもりだったのですが,仮定できる予備知識がかなり異ることもあり, 結局大幅に書きなおしてしまいました.講演の スライド と,スライドの プリンタ用ヴァージョン をリンクしておきます.

◆ 2010年7月7日に 神戸大学 数学科 談話会 で,On metrization theorems beyond Bin-Nagata-Smirnov という題の講演をしました. このときの講演の スライド と,スライドの プリンタ用ヴァージョン.

◆ 2010年6月12日に 科学基礎論学会2010年度 総会と講演会 において, "Infinity in Mathematics and Philosophy" という題のシンポジウムでの司会をしました.Keynote speakers はボストン大学の Juliet Floyd 先生と Aki Kanamori 先生で, パネルディスカッションでは, 東大の 河東 泰之 先生と, 名大の 戸田山 和久 先生にも加わっていただきました. 僕が前座にやった introductory talk 以外は全部英語(同時通訳なし)だったので, うまくゆくか,パネルディスカッションで時間が持つかなど,ちょっと心配だったのですが, 講演の後やパネルディスカッションではオーディエンスからも活発な質問やコメントがあり, むしろパネルディスカッションにもっと時間をさいても良かったほどで,ほっとしました. ボストンからのお二人に,Keynote lectures の原稿をあらかじめ送っていただいていたものが :
   Juliet Floyd: Rigor and Infinity
   Akihiro Kanamori: The Mathematical Infinite as a Matter of Method

です.またこの一日前の2010年6月11日には, 慶應大学三田キャンパスで,Kanamori 先生と Floyd 先生による 集合論と哲学の講演会が行なわれました.


ポスター(249KB, PDF)

こちらの方の予稿として,お二人から送っていただいたもの:
   Juliet Floyd: Wittgenstein, Turing and Gödel
   Akihiro Kanamori: Mathematical Knowledge: Motley and Complexity of Proof

科学基礎論学会の学会誌でこのシンポジウムに関連した特集号を企画しているということなので, これらの原稿の update は,そこと,この学会誌のもう一つの特集号に掲載されることになる予定です.

◆ 2010年5月15日(土)に サイエンス・カフェ神戸 で「ゲーデルの不完全性定理と無限の研究としての集合論」 という題で一般向けのトークをしました.


ポスター(816KB, PDF)

予定していた定員以上の参加者があり,大変熱心に聴いてもらえて, つぼにはまった質問もたくさん出たので,楽しく講演することができました. このトークの スライド とスライドの プリンタ用バージョン を upload しておきます.この講演のビデオが, 近日中に ここ にリンクされる予定になっています.

◆ 昨年の秋に京都の数理研で開かれた集合論の研究集会の講究録にノートを投稿しました. このノートの extended version をリンクしておきます.最近,投稿版の論文と, 投稿版には含めなかったディテイルも含む extended version の両方を一つの TeX file を使って書くやり方を考案しました.(実質的に)一つのファイルで二つの名前の違う dvi ファイルを生成する,ということがミソです. まあ誰でも気がつくトリックではあると思うのですが,参考までに ここ にやり方を書いておくことにします.

◆ 2009年11月29日に神戸大学で行われた 「モデル理論とその周辺」という研究集会で,"Openly generated Boolean algebras under FRP" という題名で講演を行いました. 講演の題とスライドは英語ですが,講演自身は日本語で行いました.このときの スライド とその printer friendly version. この講演は神戸に移住してから初めての研究集会発表でした.神戸に移住しても (Erdös の意味で)まだ生きていることをアピールしたつもりです.
なお, この学会は昨年亡くなった宮武徹さんの追悼学会ということでもあったので, スライドの最後のページは, 宮武さんのクライゼル予想の部分解に関する論文の第一ページの一部分の画像を引用して, 宮武さんに追悼の意を表するものとなっています. ごく最近になって,クライゼル予想の研究は急激に進展したようなので, 宮武さんがもう少し長く生きていれば, この展開に刺激されて研究を再開されたかもしれない,と思うと大変に残念です.
私の講演自身は, ごく最近証明のできたブール代数に関する定理について述べています. この結果を書いた論文を今準備中ですが, を2010年の4月に投稿しました.この論文の プレプリント をリンクしておきます. この論文は, 私のドクター論文の指導教官だった Sabine Koppelberg 先生に,彼女の Freie Universität Berlin からの退官の記念として献呈したいと思っています.

◆ 2009年9月に筑波大学の大学院で初等的部分構造の集合論での応用に関する集中講義を行いました. このテーマに関しては,もう十年以上前ですが, 日本に移住した年の夏 (1997年8月) 静岡県三保の東海大学研修館で行われた数学基礎論サマースクールでも講義をしたことがありました. 今回の集中講義では, このときの lecture note を下敷きとして用いました. 今度の講義の lecture note は,まだ準備中ですが, 書きかけのところも残っている現在のヴァージョンが ここ に置いてあります.

◆ 2009年6月6月15日ヴィーンの ESI (Erwin Schrödinger Internal Institute for Mathematical Physics) で開催されていた 集合論の学会 で講演をしました. このときの スライド とスライドの printer friendly version. このスライドは, 7月10日の 関西集合論セミナー で講演をしたときにも再利用しました.

◆ 2009年3月26日から29日にかけて東大駒場キャンパスで開催された日本数学会年会で, 千谷慧子先生による数学基礎論分科会の特別講演 「量子集合論とその完全性」の座長をつとめました. 講演に先立って千谷先生の簡単な経歴紹介をしたのですが,そのときに用意した 原稿に若干手を入れたもの をリンクしておきます.

◆ 先日の記載でも触れた Soukup 氏を含むブダペストのグループの人々と薄葉季路氏との共著論文の投稿版を, やっと書き上げることができました. 次のリンクは,この論文の投稿版 Fodor-type Reflection Principle and reflection of metrizability and meta-Lindelöfness と,投稿版でははぶいた初等的な細部も含めた 拡張版 です. 共著者の一人である Juhász 先生が年末に沢山の improvements の suggestions を送ってくれたので, それにちゃんと対応するのに手間取ってしまったのが, なかなか投稿できなかった理由の一つだったのですが, おかげで,暮れ正月から今までこれにかかりきりになってしまい, 年賀状やいただいた年賀状の返事など全部なにもやっていません. 年賀状を送っていただいた方には大変失礼しました. この数日で多少は何とか対応したいと思っています.(09.01.13(火19:29(JST)))

◆ 2009年1月9日に神戸大学で開催された 計算による数理科学の展開 2009 で 「Transfer Property としてのコンパクト性」という題の講演をしました.このときの スライドとスライドの printer friendly version をリンクしておきます. 先日のトポロジーの学会での講演でも,集合論以外の専門の数学者が主な聴衆だったのですが, 今回は,さらに専門領域の遠い数学者が対象の講演でした (スライドには無限基数の説明をしているページ(beamer の用語では frame)もあります), この種類の一般講演は,いつもとても緊張してしまいます.

何人かの方に僕のスライドのソースファイルについて質問を受けたので, 上の「Transfer Property としてのコンパクト性」に関する講演の スライドのソースファイル をここにリンクしておきます.ソースファイルで,%\printerversiontrue とある行の % をとるとプリンタフレンドリーバージョンを作成してくれます. (09.03.31(火23:59(JST)))

◆ 12月17日に高崎経済大学で開催された,2008 General Topology シンポジウムにおいて, 「Locally "nice" spaces の距離付け可能性とmeta-Lindel"of 性」 という題名の講演を行いました. 内容は,以下の2項目でリンクしたプレプリントからの結果が主で, 日本数学会での講演と重複の大きいものになっています. 数学会のときよりずっと沢山時間をもらったので, 証明も入れようと思ったのですが, うまくもりこむことができなくて, 本質的でないところの証明をちょっと話して終りになってしまいました. 参考までに,そのときの スライドスライドの printer friendly vertsion をリンクしておきます. 今学期は大学の講義の一つで beamer を用いているのですが,これらのスライドは, この講義のスライド作成のために開発した, スライド・バージョンとプリントアウトのためのバージョンを同時に作成するための, 自作の beamer 用のマクロ集を用いて作成しています.

Fodor-type Reflection Principle,metrizability and meta-Lindelöfness: Lajos Soukup 氏を含むブダペストのグループの人々と, 薄葉季路氏との共著で書いた論文のプレプリント. 日本数学会での講演で話した定理などを含む.この論文は現在大幅な改訂中で, "Fodor-type Reflection Principle and reflection of metrizability and meta-Lindeöfness" と改題される予定です.

今年の夏に京都大学数理解析研究所で開かれた国際学会 の講究録に投稿予定の 論文. ここのところトポロジーの研究が続いているのですが,これもその流れでの結果の一つです. バルセロナで考えたことの一つの証明の細部を,この前の連休にひきこもってうめたものです.

2008年8月26日に京都大学数理解析研究所で開かれた国際学会 で,Reflection of non-metrizability という題で講演をしました.この講演では, 初めて beamer によるスライドを用いました.みんなが beamer を使っているので, へそをまげて今までさけていたのですが, Erice での学会 の折, Tomek Bartoszynski に強くすすめられたことがきっかけで使ってみることにしました. Tomek は数理研の学会にも参加していたので, beamer を使ったスライドを自慢しようと思っていたのですが,彼は, ちょうど僕の講演のあった日だけ旅行疲れで学会をさぼってしまっため,はたせませんでした. このスライドのファイルを ここ に置いておきます. 内容は,9月26日に予定している講演と重なるところのあるものです.

◆ 中部大学の "教務モニター" 経由で届けられた "学生の講義に対する意見や要望" に対する回答

◆ 2008年9月26日(金)に日本数学会秋季総合分科会でのトポロジー分科会で, "Meta-Lindelöf 性と距離付け可能性に関するreflection properties について" という題名の講演を行います. 講演申込のときから大分研究が進んだので, そのとき提出したアブストラクトはアクチュアルでなくなってしまいました. そこでアブストラクトをアップデートしたものを ここ アップロードしておくことにします.

◆ 2008年の八ヶ岳フレッシュマンセミナー (第10回セミナー (2008年10月10日 (金)〜 15日 (月・祝)))でも数理論理学/集合論のセミナーを担当しました. この年のテーマはバナッハ・タルスキーの定理(逆理)でした.

◆ 2008年春学期はスペイン,バルセロナの CRM 数学研究所 に客員研究員として滞在していました.バルセロナといっても, CRM のあるバルセロナ自治大学はバルセロナから地下鉄で30分くらい行った郊外にあって, セミナーや研究のディスカッションは,主に, ちょうど中部大学から言うと名大くらいの位置関係の(バルセロナ市の中心にある) バルセロナ大学でやります.そのため,2つの場所を一日に往復することも少なくありません. これはちょっと大変とも言えますが, バルセロナ大学にも相部屋のオフィスやインターネットアカウントをもらっているので, まあ,なんとかなっています. セミナーをやるバルセロナ大学の科学哲学研究所は, バルセロナ一番の目抜き通りランブラス通りからちょっと行った, 現代美術館のななめ前にあるので,ゼミに間にあうように急いでいるときなどは, カタルーニャ広場の地下鉄駅から, 英語やドイツ語やフランス語やイタリア語やときどきは日本語などをききながしながら, 観光客をかきわけて小走りに進んでゆく感じになります.

◆ 神戸大学で開催された Set Theory Meeting in Kobe 3/19 〜 3/21 2008 において, "On (anti)hierarchy of reflection principles" という題で2008年3月21日に行なった講演のスライドの pdf 版

講究録のためのノート. 2007年の数理研での集合論の研究集会で "Fremlin's Covering Property" という 題で行なった講演で述べたことを整理したもの.

◆ 2008年の2月8日に神戸大で開催された 関西集合論セミナー で講演をしました.この講演で用いたスライドの pdf 版 です. 今までのスライドのファイルとフォーマットが微妙に違うのは, 最近いつも持って回っているノートブック・コンピュータを新しいものに変えて, スクリーンのサイズが変ったため, この新しい「××vistaマシン」に合わせてスライドの設定を変えたからです. ただし,「××」はマシンにではなく vista にかかる denunciative な形容詞です.

◆ 2008年の2月の後半にトロントの Bernhard Koenig 氏を名古屋に招待しました. 氏の滞在期間中の2月23日(土)に,また中部大学で昨年の11月に行なったような ミニ国際学会 Set Theory in Kasugai 2008 を開催しました.この一日前の 2月22日(金)午後にも中部大学で informal なセミナーを行なったのですが, このとき集まった数人で,中部大学の 茶室 を見学しました.茶室の床の間にかかっていた「円相」の禅画は 「無限や真理」を象徴するということです. 「無限と真理」はまさに集合論の精神そのものなので,円相をあしらったロゴを 作ってみたくなりました. 以下は,茶室を見学したときにとってもらった写真のファイルから作ったものです. 前のコンピュータのお絵書きプログラムには入っていた,背景色を透明にする,という機能が, 今のコンピュータのお絵書きプログラムではできなくなっていたため, ちょっとまぬけな画像しか作れなかったのですが, 08.03.23(日)に市販の某ソフトを導入したので,それを使って少し修正してみました.

◆ 2007年11月24日に,これまでにも sporadic に開催していた, Set-theory in Kasugai を中部大学で開催しました. 今回は一日だけのミニ国際学会でしたが, バルセロナの集合論研究グループのリーダーの Joan Bagaria 氏, ブダペストの集合論グループのリーダーで, 集合論的トポロジーの第一人者である Istvan Juhasz 氏のお二人に main talks をしていただき,お二人以外にも複数の海外からの参加がありました.

◆ 2007年9月24日に東北大学で開催された日本数学会秋季総合分科会の「数学基礎論と歴史」 分科会で特別講演を行いました.このときの 予稿に少し手を入れたもの スライド.

「ゲーデルと20世紀の論理学」 第4巻 「集合論とプラトニズム」(東京大学出版会) が先日出版されました. 拙著「構成的集合と公理的集合論入門」が,第I部として収録されています. このテキストの最初の部分は,下記の 数学基礎論サマースクール での私の講義で前提とする知識に対応しています. また,このテキストの前半の一部を 八ヶ岳フレッシュマン・セミナーでの私の担当するセミナーのテキストとしても使いました.

◆ 2007年9月4日から9月7日に 数学基礎論サマースクール で強制法の入門の講義を行いました.講義の参考資料は ここに置いてあります.講義の後にも若干アップデートをしています.

◆ 10月5日(金)から8日(月・祭日)に開催された,2007年度 八ヶ岳フレッシュマン・セミナー講師の一人として 集合論のセミナー を担当しました.内容は,Erdös=角谷の定理とその応用の証明を通じて, 無限組合せ論の初歩に触れてもらおう,というものでした. 超限帰納法など, 数学科の初年度で教わる標準的な教材には含まれていない知識を沢山含む内容だったのにもかかわらず, 参加者の学生諸君の最後の発表は,学部生のゼミとは思えないとても良いものになったと思います.

◆ 理学教室の 北村市次郎先生を偲んで にもあるように, 今年2007年の1月末に理学教室の北村市次郎先生が急逝されました. 実は私もこのページの発起人の一人だったのですが,なかなか 追悼文 が書けないでいました.忙しかったこともあるのですが …

「現代思想」2007年2月臨時増刊号に「連続体仮説とゲーデルの集合論的宇宙(ユニヴァース)」 という題の論説を寄稿しました. 「一般=文系寄りの読者にも理解しやすいように論じて」もらいたい,という要望に答えるべく書いたものです. 昨年来このような作文を沢山やって疲労困憊という感じ.しかし,反応は,専門家からは,例えば 『集合論の出発点からの記述なので,書き方に苦労されたことでしょう』などとほめられることが多いのに, 「一般の読者」からの反応はどうもかんばしくありません. 読後ポジティヴな感想を持った人はぜひはげましの手紙をください. おだてられれば,また一般向きのものを書くかもしれませんから.

◆ 2006年秋学期に中部大学で開講されている「数学の考え方」の補講で「数学と無限 - 無限のパラドックス」という題の講演をしました.この講演のスライド東北大学での講演のスライドの改良版 を使って2006年12月5日に静岡大学理学部数学科の談話会で講演をしました.

◆ 「数学のたのしみ」2006年秋号に,ゲーデル特集の記事の一つとして「ゲーデル以降の数学と数学基礎論」と題する文章を寄稿しました.

◆ 2006年11月14日に東北大学大学院理学研究科 数学専攻での談話会で「集合論から見た非可測集合」という題で一般講演を行いました. この講演で使ったスライド

◆ 2006年10月24日に行なった微分積分学Iの演習問題と解説

◆ 2006年10月16日と17日に行なった微分積分学Iの演習問題と略解: 16日分17日分, x

◆ 2006年10月18日に京都大学数理解析研究所における研究集会で ``MAD families over given AD families''という題の講演をしました.この講演で用いたコンピュータの出力の pdf 版

◆ 2006年度秋学期に中部大学で開講の講義 「数学の考え方」のテキストを書きはじめました.学期を通じて少しづつ更新してゆく予定です.

依岡 輝幸氏(静岡大学)が 氏の「連続体の組合せ論的研究」の業績により, 若手数学者に贈られる日本数学会賞建部賢弘賞2006年度奨励賞を受賞しました. ロジックの若手研究者がこの賞を受賞するのは初めてです.

◆ 2006年度春学期に中部大学の「総合科目」で「インターネットにある本と天国にある本」という講義をしました. これはその予稿の原稿です.

◆ 2006年の2月から3月にかけて,バルセロナの CRM数学研究所 に滞在しました. このときの 旅行記のようなもの を中部大学の学内報 アンテナ73号 に書きました.これはごく一般向けの旅行記ですが, もう少し数学に関する話題も盛り込んだ 作文数学セミナー 2006年7月号に掲載されています.

2005年以前の更新記録 etc.


リンク集
  • 神戸大学での講義科目のページ [Wed Mar 6 00:38:10 JST 2019 更新]
  • List of Publications [October 13, 2018 更新]
  • Some preprints and recent papers
  • Set-theory in Kobe
  • 北見での古い web ページ
  • 中部大学での古い web ページ
  • 科学研究費に関連する研究成果
  • Group of Logic, Statistics & Informatics at Kobe University
  • Mathematical Logic around the world
  • 中部大学での"学生の講義に対する意見や要望" に対する回答
  • 基礎の公理の成り立たない集合論について [Sat Aug 13 14:44:46 +0900 2016 更新]
  • 八ヶ岳フレッシュマンセミナー [Sun May 15 02:05:57 +0900 2016 更新]
  • 北見工業大学在職中に作成した演習課題や教材(簡易言語のコンパイラなど)
  • 中部大学在職中に作成した講義科目のページ
  • Nagoya Set-theory Seminar
  • 伯母野山日記 [随時更新]
  • ヒルベルトのケーニッヒスベルクでの講演 [Last modified: Mon Apr 5 22:51:20 JST 2021 更新]


  • △△△   △△△       地球温暖化ナリ.氷山ヨサラバ.


    Last modified: Thu Mar 7 14:14:05 JST 2024